日立ソリューションズは、お客様の全体最適の視点で豊富なソリューションを組み合わせて提供する『ハイブリッド インテグレーション』を実現します。

ニュースリリース

2015年10月5日
株式会社日立ソリューションズ

米国と欧州のITS標準規格に対応した車車間通信ミドルウェア基盤
「C2X Middleware Platform」を販売開始

 株式会社日立ソリューションズ(本社:東京都品川区、取締役社長:佐久間 嘉一郎/以下、日立ソリューションズ)は、米国・欧州のITS(高度道路交通システム)標準規格に対応した、車車間の無線通信に用いる通信ミドルウェア基盤「C2X※1 Middleware Platform」を、10月6日に販売開始します。
 「C2X Middleware Platform」は、自動車の位置、速度、加速度、制御情報などの車両情報や、周辺の信号、標識、路側センサーなどから得た道路インフラの情報を、無線通信によって車両間で相互に交換し、またその情報を運転支援のためのアプリケーションに提供する通信ミドルウェア基盤です。
 本基盤を用いることにより、C2X向けアプリケーションを開発するメーカーは、設計や開発工数、テスト工数の削減を図ることができます。

※1 C2X(Car-to-X)は、自動車と自動車(C2C: Car-to-Car)、または自動車と信号機や道路標識などの道路インフラ(C2I: Car-to-Infrastructure)が、ITインフラを介さずに直接無線通信して情報を交換し、安全運転や環境に配慮した運転を支援することを目的とする仕組みである。V2X(Vehicle-to-X)とも呼ばれる。またC2Xで用いられる通信を車車間通信、路車間通信と呼ぶ場合もある。C2Xの通信では、ネットワークノードが高速かつ自律的にコネクションを確立するのが特徴である。

昨今、車車間および路車間のリアルタイム無線通信を通じて、人や自動車、道路などの交通インフラが相互に情報のやり取りを行い、事故や渋滞などの道路交通の問題を解決する協調型のITSへのニーズが高まっています。特に、米国運輸省の国家道路交通安全局は、車車間無線通信技術の新車への搭載について法令での義務化を提言する方針であり※2、これを受けて自動車メーカーや自動車部品メーカー各社は、この無線通信技術の搭載への準備を進めています。また、自動車製造業の主要なマーケットである米国と欧州ではそれぞれITSの標準規格が異なるため、自動車部品メーカーは地域に応じてアプリケーションを別個に開発する必要に迫られています。

日立ソリューションズのC2X向け通信ミドルウェア基盤「C2X Middleware Platform」は、従来から欧州電気通信標準化機構(ETSI: European Telecommunications Standards Institute)※3 のITS標準規格に対応しており、そしてこのたび米国SAEインターナショナル(Society of Automotive Engineers International)※4のITS標準規格(SAE/IEEE 1609.X)にも対応しました。また、簡易なファイル設定だけで米国と欧州の標準規格を切り替えられるフレキシブルな構造を採用しており、当社の通信ミドルウェア基盤を用いることにより、C2X向けアプリケーションを開発するメーカーは、設計・開発工数やテスト工数の削減を図ることができます。

今後は、路車間通信機能や、収集したデータの蓄積・フィルタリング機能などC2Xのアプリケーション開発に必要となるさまざまな機能を提供していきます。これら幅広いC2X関連技術の提供を通じて、より安全・安心かつ持続可能なモビリティ社会の実現に寄与していきます。

なお、日立ソリューションズは、ルネサスエレクトロニクス株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役会長兼CEO:遠藤 隆雄/以下、ルネサス社)とともに、各種C2X関連団体のテストイベントや実証実験に参加するなど、技術連携をしてきました。「C2X Middleware Platform」は、同社製品「V2X Starter Kit」上で動作検証済みであり、組み合わせて使用することができます。

■ ルネサスエレクトロニクス株式会社からのコメント

このたび、ルネサス社第一ソリューション事業本部 ADASソリューション部 部長 伊賀直人氏からコメントをいただきました。
「ルネサスは安心安全なクルマの実現を目指し車車間・路車間通信(V2X)の製品化を推進しております。日立ソリューションズの『C2X Middleware Platform』は、当社『V2X Starter Kit』に実装しV2Xソリューションを構築可能です。ルネサスは日立ソリューションズ社と連携しV2Xソリューションを提供することで、お客様のシステム開発と効率化の支援を図り、V2Xの普及を目指しております。」

※2 出典: "U.S. Department of Transportation Announces Decision to Move Forward with Vehicle-to-Vehicle Communication Technology for Light Vehicles" http://www.nhtsa.gov/About+NHTSA/Press+Releases/2014/USDOT+to+Move+Forward+with+Vehicle-to-Vehicle+Communication+Technology+for+Light+Vehicles
※3 ETSIは、欧州における通信、テレビ放送、高度道路交通システム(ITS)などの電気通信産業に関する独立非営利の標準化機構。
※4 SAEインターナショナルは、自動車、商用車、建設機械などの業界の技術者および専門家による団体。活動の中心は米国の自動車産業界で、車両の設計、製造、試験、および性能に関連する多くの標準を策定している

■「C2X Middleware Platform」のイメージ図

「C2X Middleware Platform」のイメージ図

■「C2X Middleware Platform」の主な特長

1.米国と欧州の標準規格に準拠し、簡単に切り替えが可能

 ETSIやSAEインターナショナルの標準規格に対応しています。また簡易なファイル設定だけで対応する両規格を切り替えることができます。当社のミドルウェア通信基盤を用いることにより、C2X向けアプリケーションを開発するメーカーは、設計・開発工数やテスト工数の削減を図ることができます。

2.さまざまなOSやハードウェアに対応可能

 OSやハードウェアの差異を吸収する構造を備えており、さまざまなプラットフォームへ容易に対応することが可能です。

3.導入時のコンサルティングから保守まで、ワンストップサービスを提供

 日立ソリューションズは各種C2X関連団体のテストイベントや実証実験※5を通じて仕様互換性や相互接続性の検証を行い、最新の標準規格への準拠性を確保してきました。ここで培ったノウハウと実績を基に、C2Xミドルウェアの活用にあたっての導入コンサルティング、開発支援、テスト支援から保守まで、お客様を支援します。

※5 ETSI のテストイベント(Plug Tests) や、DriveC2X(欧州の実証実験プロジェクト)、Score@F (フランスの実証実験団体)の実証実験など

■ 販売開始時期

2015年10月6日

■ 販売価格

個別見積もり

■「ITS World Congress 2015 in Bordeaux」への出展について

フランスのボルドー市で開催される「ITS World Congress 2015 in Bordeaux」(開催期間: 10月5日~9日)にて、「C2X Middleware Platform」 の実機デモ展示を行います。 ルネサス社の協力のもと、デモシステムのハードウェアには、同社製品「V2X Starter Kit」を使用しています。
 「22nd ITS World Congress 2015 in Bordeaux」   公式ページ:http://www.bordeaux-expo.com/

■ 製品紹介URL

<商品・サービスに関するお問い合わせ先>

URL: https://www.hitachi-solutions.co.jp/inquiry/   Tel:0120-571-488

<報道機関からのお問い合わせ先>

担当部署:経営企画本部 広報・宣伝部
担当:安藤、竹谷
TEL:03-5479-5013  E-mail:koho@hitachi-solutions.com

※ ハイブリッド インテグレーションは、株式会社日立ソリューションズの登録商標です。
※ その他記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。

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