日立ソリューションズは、社会生活や企業活動を支えるソリューションを提供し、持続可能な社会の実現に取り組んでいます。

ニュースリリース

2019年9月24日
株式会社日立ソリューションズ

車載型の移動式高精度3D計測システムを活用した「GeoMation 点検業務支援システム」を提供開始

電力や通信業、自治体の設備点検業務の効率向上を支援し、社会インフラの長寿命化に貢献

 株式会社日立ソリューションズ(本社:東京都品川区、取締役社長:星野 達朗/以下、日立ソリューションズ)は、株式会社トプコン(本社:東京都板橋区、代表取締役社長:平野 聡/以下、トプコン)の車載型の移動式高精度3D計測システム(以下、MMS*)で取得した3D点群データを活用することで点検業務の効率向上を支援する「GeoMation 点検業務支援システム」を10月10日から提供開始します。
 本システムでは、MMSで取得した3D点群データの利活用により、作業員が現地へ出向くことなく、点検業務を行えるようになります。これにより、業務の効率向上を図れるとともに、経験が浅い作業員も熟練者のアドバイスを聞きながら、補修が必要な場所を判断できるようになります。
 具体的には3D点群データから、電力柱、通信柱、架線(電力線・通信線)などの点検対象設備(オブジェクト)を自動で抽出する機能を提供することで、広範囲に点在する点検対象設備の位置や高さ、設備周辺の障害物の状況を一度に確認できます。巡視点検(樹木伐採業務など)での活用が期待できます。
 また、複数年、データを蓄積することで、点検対象設備の変化も確認できます。点検結果の証憑、点検計画策定用基礎データとしての活用も期待できます。
 日立ソリューションズは、本システムによって、人手不足が懸念される点検業務の効率向上を支援し、社会インフラの長寿命化に貢献していきます。

* MMS : 車載センサ「モバイルマッピングシステム (Mobile Mapping System) 」の略称で、3Dレーザスキャナー、GPS、全周囲カメラ画像により三次元位置計測を実施することができます。


図:MMSで取得したデータから電信柱、架線、架線周辺障害物を抽出した例

■ 背景

近年、社会インフラ老朽化問題への関心が高まる中、企業は、適正かつ網羅的な点検や補修診断が求められており、作業員の業務量の増大が課題となっています。そのような中、若手入職者の減少や作業員の高齢化によって、人手不足は深刻な問題です。
 日立ソリューションズでは、これまで電力業、通信業向けに空間情報ソリューション「GeoMation」を提供してきました。このたび、実績のある電力業、通信業にて大きな課題となっている、人手による巡視点検業務の効率向上を目的に、GIS(地理情報システム)とMMSを組み合わせた効率的な情報収集、情報分析を支援し、点検業務の効率向上を図るソリューションを提供することになりました。

■ 「点検業務支援システム」の特長

1. オブジェクト抽出技術*による効率的なデータ解析の実現

 収集した3D点群データの中から、設備管理台帳の設備情報から作成した対象設備の3Dモデルに類似する形状を検索し、対象設備の3D点群(オブジェクト)を自動抽出します。設備管理台帳の緯度経度情報から検索の範囲を絞り込むことで、オブジェクトの自動抽出の精度をさらに向上できます。
 今回のリリース版では、電力柱、通信柱、架線、架線周辺の障害物、電柱付帯設備などのオブジェクトの抽出、および特定のオブジェクト間離隔の自動計測などが可能です。

* 特許第6069489号(特許権者 株式会社日立製作所)


2. トプコンの国内拠点の活用による効率的なMMS計測の実現

 本システムでは、トプコンのMMSを活用します。社会インフラの設備は日本全国多岐にわたって存在します。トプコンの国内拠点と連携することで、効率的なMMS計測方法や実運用に向けたコンサルティングサービスを提供できます。

3. GIS連携による業務適用範囲の拡大

 本システムでの抽出結果は、GIS上で可視化することが可能です。たとえば、GISで管理している設備管理台帳と情報連携することで、設備番号などから点検結果を検索可能になります。また、データ解析結果となる設備間離隔情報やMMS写真データなどをGIS上で管理することで、過去の点検結果の証憑としての利用や過去の点検結果との比較、点検計画策定時の基礎データとして活用できます。

■ 今後について

日立ソリューションズは、今後、ドローンで取得した3D点群データの利活用も検討していきます。また、3D点群データ内で自動抽出できる設備を拡充していくとともに、画像解析機能も追加することで、点検設備の種類判別など、機能を拡充していきます。そして、電力・通信業・自治体を含む社会インフラ分野全般での老朽化問題に対し、点検業務の効率化を支援し、社会インフラの長寿命化に貢献していきます。

■ 国土交通省の「インフラメンテナンス新技術・体制等導入推進委員会」での活動について

当社は、国土交通省の自治体における効率的かつ効果的なインフラメンテナンスの実現に向けた「インフラメンテナンス新技術・体制等導入推進委員会」の取り組みに参加しており、静岡県との現場試行では、静岡県が取得済みの点群データに対し、本製品による解析を実施する予定です。
・国土交通省「インフラメンテナンス新技術・体制等導入推進委員会」活動報告サイト
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/maintenance/03activity/03_01_04.html

■ 展示会情報

本製品を含むGeoMation製品に関して、10月17~18日に東京国際フォーラムにて開催される「Hitachi Social Innovation Forum 2019 TOKYO」のDigital Innovationカテゴリ(E518)にて展示を予定しています。
・Hitachi Social Innovation Forum 2019 TOKYO紹介サイト
https://hsiftokyo.hitachi/

 また、本製品を活用した研究に関して、10月31日~11月1日に中部電力技術開発本部(愛知県名古屋市)にて開催される「中部電力テクノフェア2019」での発表を予定しています。
・中部電力 テクノフェア2019ご紹介サイト
https://www.chuden.co.jp/corporate/study/stu_torikumi/techno/index.html

■ 日立ソリューションズの空間情報ソリューション「GeoMation点検業務支援システム」について

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<報道機関からのお問い合わせ先>

担当部署:経営企画本部 広報・宣伝部
担当:安藤、廣納(ひろのう)
TEL:03-5479-5013  
E-mail:koho@hitachi-solutions.com

※ GeoMationは、株式会社日立ソリューションズの登録商標です。
※ その他記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。

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