日立ソリューションズは、社会生活や企業活動を支えるソリューションを提供し、持続可能な社会の実現に取り組んでいます。

ニュースリリース

2021年3月23日
株式会社日立ソリューションズ

建災防の労働災害事例を活用した「労働安全衛生管理サービス」を提供開始

建設現場のリスクアセスメントと危険予知訓練における安全衛生の質向上を支援

 株式会社日立ソリューションズ(本社:東京都品川区、取締役社長:星野 達朗/以下、日立ソリューションズ)は、建設業向けの「労働安全衛生管理サービス」を3月29日より提供開始します。
 本サービスは、安全衛生管理部門が現場に対し推進している建設現場のリスクアセスメント*1と危険予知訓練*2の質向上を支援するものです。導入企業の災害事例に加え、建設業労働災害防止協会(以下、建災防)がまとめている、労働災害事例をクラウド上のデータベースから活用することが可能です。建設現場では、スマートフォンで災害事例を検索・参照できます。作業員が事例を自分の現場に当てはめて学ぶことで、活動の形骸化を防止します。
 本サービスは、建設会社の足場組立などの現場で実証実験を行い、災害事例の拡充や現場でも使いやすい操作画面をサービスに反映することで、危険感受性*3向上の効果を確認しています。
 日立ソリューションズは、労働安全衛生のPDCAの運用を支援する「労働安全衛生マネジメント支援ソリューション」のラインアップに、今回のPlan(リスクアセスメント)、 Do(危険予知訓練)を支援するクラウドサービスを追加しました。今後はCheck、Actionを支援する安全対策支援などの拡充により、さらなる安全衛生活動の質向上や効率化、コンプライアンスの強化を支援するソリューションを提供していきます。

*1 工事や作業前に、工事現場や作業に潜む危険要因とそれにより発生する影響を調査し、適切なリスク低減対策を実施すること

*2 日々の作業前に危険要因や重点実施項目を指差し唱和などで確認し、行動する前に危険を発見し解決する能力を高める活動

*3 危険性の洗い出しや、対策を講じる能力


図1:労働安全衛生管理サービスの画面イメージ

■ 背景

建設業では、労働人口の減少や熟練労働者の大量退職によって人手不足と現場のノウハウ喪失が問題となる中、労働者の安全と健康の確保は重要な社会課題となっています。深刻な労働災害は経営に重大な影響を与えかねないことから、労働災害のリスク低減や適切な安全管理は企業にとって不可欠です。
 労働安全衛生法では、建設業における危険性や有害性などの調査・評価を実施(リスクアセスメント)し、その結果に基づいて検討した災害防止対策により、未然に労働災害を防ぐことが努力義務とされています。
 そのような中、建設業の労働安全衛生管理部門では、災害事例の情報を紙や本社・支店ごとのバラバラなデータで管理しており、建設現場では十分に活用されていない状況でした。また、1企業で保有している労働災害の事例は数に限りがあるため、各作業のリーダーに提供できる参考事例の内容には偏りがある状況でした。さらに、建設現場で実施される日々の危険予知訓練においては、教育用コンテンツの準備が負担となり、同じコンテンツを使い続けることによる形骸化も発生していました。
 そこで、日立ソリューションズは、建災防との連携により、選別された教育効果の高い労働災害事例の活用を実現します。そしてこれまで、建設業の現場でAIやIoTなどのデジタル技術を活用し、労働災害防止を支援するソリューションを提供してきた実績を生かし、リスクアセスメントや危険予知訓練を支援する「労働安全衛生管理サービス」を提供することとしました。

■ 「労働安全衛生管理サービス」の特長

1. 自社や建災防の災害事例を一元管理し現場で活用することで、より良い安全教育を支援

 紙やPDFなどで分散して管理されていた自社の災害事例をクラウド上のデータベースに集約することで、ノウハウをさまざまな現場で活用しやすくなります。さらに建災防の労働災害事例もデータベースで参照できるため、他社の災害事例から新たな気づきが得られます。これらにより、建設現場のリーダーによる安全教育の質向上や、作業員の危険感受性の向上を支援します。

2. 工事内容や使用機材による検索および災害事例の分類ごとの表示で、リスク対策の見落としを防止

 工事や作業の種類だけでなく、災害の起因物となる使用機材(例 : 足場)や、天候(例 : 雨)などで検索すると、過去にどのような災害(例:墜落・転落)が発生しているか、分類ごとに該当する件数を表示し、事例を閲覧することができます。実施予定の工事や作業に関連する災害事例を基に、危険性や有害性を示しやすくなるため、リスク対策の見落としを防ぎ、効率的かつ質の高いリスクアセスメントを支援します。

3. 建設現場でも使いやすいスマートフォンの操作画面で、当日の作業に役立つ危険予知訓練を支援

 建設現場のリーダーは、日々の危険予知訓練において、スマートフォンやタブレット端末から簡単操作で当日の作業に関連する事例を閲覧できます。検索条件である工種、起因物、事故の型を選択肢の中から選択でき、スマートフォンでの操作も容易です。また、現場の状況に即してピンポイントで検索したい場合には、キーワード入力による検索も可能です。作業現場で何が危険か、どういった状況だと危険な状態になるかといった適切な注意喚起を作業員に与えることができます。

■ 販売価格(税別)

初期導入費+現場単位の月額利用料。詳細はお問合せ下さい。

■ 販売開始時期

2021年3月29日

■ 「労働安全衛生管理サービス」に関するホームページ

■ 「建設業労働災害防止協会」について

労働災害防止団体法に基づき設置された、厚生労働省所管の特別民間法人です。建設業従事者に対する労働災害に関する注意喚起のほか、労働安全衛生法に基づく技能講習や特別教育も行っています。
 建設業における安全衛生の情報に加え、労働災害事例などを『安全衛生早わかり』として、イラストや図を交えてわかりやすくまとめています。
URL:https://www.kensaibou.or.jp/

■ 「労働安全衛生マネジメント支援ソリューション」について

労働安全衛生マネジメントシステム (OSHMS)*4のPDCAを支援するためのソリューションです。
 厚生労働省の「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針(OSHMS)」やISO45001*5を中心に厳格化する労働安全衛生の法規制・コンプライアンスへの対応において、労働安全衛生に関する計画の作成から実施、評価および改善までのPDCAの運用を支援します。
 このたびの「労働安全衛生管理サービス」の提供により、Plan(リスクアセスメント)とDo(危険予知訓練)のラインアップを拡充しました。

*4 厚生労働省 : https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei14/dl/ms_system.pdf

*5 ISO45001 : 労働安全衛生マネジメントシステムの国際規格

URL: https://www.hitachi-solutions.co.jp/roudouanzeneisei/sp/


図2:労働安全衛生マネジメント支援ソリューションが支援するPDCA

■ 日立ソリューションズの「デジタルソリューション創出プラットフォーム」について

本サービスは、日立ソリューションズのサービス協創基盤「デジタルソリューション創出プラットフォーム」で提供しています。
 「デジタルソリューション創出プラットフォーム」は、VMware社の「VMware Tanzu Application Service」を採用しています。
 日立ソリューションズが長年培ってきたリーン開発などのノウハウを生かし、迅速な立ち上げから、カスタマーサクセスを実現する継続的な改善をお客様との協創で進めます。
 今後もお客様との協創でデジタルビジネスを強力に支援していきます。

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担当部署:経営企画本部 広報・宣伝部
担当:多田、安藤
E-mail:koho@hitachi-solutions.com

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