多様なタレントが活躍する
ダイバーシティの実現
多様な視点・考えを活かす人財活用
当社がめざすダイバーシティ推進
多様な人財が集い、各々の持つ多様な能力を発揮することは、当社の持続的な成長のため、そして当社の事業活動を通じて、持続可能な社会の実現に向けた価値創造を実現するために不可欠な要素です。私たちはダイバーシティ推進の取り組みを通して、すべての従業員の豊かな個性を花開かせる企業文化、企業風土の実現に向け、さまざまな施策を導入しています。実行にあたってはダイバーシティ推進を6つにわけて定義し、各部門が連携しながら推進しています。
ダイバーシティ推進の歴史
当社のダイバーシティ推進の歴史は長く、専任組織を設立したのは2009年です。
2019年度からはチーフダイバーシティオフィサー(CDO)職を設置。
在宅を前提とした新しい働き方や、ジョブ型人財マジメントへの転換など人財方針と一体で、企業としての経営基盤強化に向け、積極的に活動しています。
多様な従業員の活躍推進
女性活躍推進
常に新しく多様な視点で価値を創出していくためには、意思決定層の多様性が不可欠であると考え、女性の活躍を支援しています。母集団形成のため、新卒における女性総合職比率は30%を維持。さらに公平な人員配置で着実な管理職任用をめざし、2027年の女性総合職比率と管理職比率の同率化のKPIを設定。さらにジョブ型人財マネジメントにおける各種施策の推進で後押ししています。また、2021年には内閣府が支援する「輝く女性の活躍を支援する男性リーダーの会」に賛同。現在は当社取締役社長の森田英嗣が参加し、企業としてジェンダー平等と女性活躍を推進しています。
セキュリティの未来を切り拓く女性技術者、国内外で高評価
青山 桃子
株式会社日立ソリューションズ
セキュリティソリューション事業部
セキュリティサイバーレジリエンス本部
マネージドセキュリティサービス部
チーフセキュリティアナリスト
世界のサイバーセキュリティ業界をリードし、組織に革新をもたらした女性に贈られる「Cybersecurity Woman of Japan 2024 Awards」を当社従業員が受賞しました。高度な専門性と優れたリーダーシップを社会に強く印象付けるとともに、セキュリティ分野で活躍する女性の等身大ロールモデルとして、その存在そのものが注目を集めています。受賞者の従業員は新卒入社以来、ネットワークセキュリティ製品の検証や、サイバー攻撃者の視点からシステムの脆弱性を洗い出し、改善策を提案するペネトレーションテストサービスなどに従事しながら、ホワイトハッカーとしてのキャリアを積みあげてきました。日立グループ内外におけるサイバー攻撃への対応力強化のために創設された「セキュリティプロフェッショナルセンタ」に参画。2017年には、ボトムアップな社風を追い風に、セキュリティコンテストをスタートさせるなど人財育成にも携わってきました。今では、毎年約300~400名が参加する全社的な恒例イベントとして定着しています。また、女性セキュリティ技術者が当たり前に活躍できる社会をめざし、社外の人財育成にも積極的に取り組んできました。女性技術者向けコミュニティ「CTF for GIRLS」の運営に参加。自らの出産・育児の体験を踏まえた講演活動などを通じて、この分野ではまだまだ少数派の女性の活躍の場を広げ、多様なキャリアの在り方を示す活動を展開しています。セキュリティ技術は、社会基盤を支えるインフラとして重要度が増しています。社会の安全を守るホワイトハッカーとして、日々進化する技術の習得に挑みながらスキルアップを続けています。
海外の多様な価値観やアイデアを業務へ反映
海外グループ会社との連携を通じて、各地の女性リーダーをはじめ、グローバルに活躍する多様な人財との包括的な関係性を築き、海外の多様な価値観やアイデアを業務に反映させる取り組みを強化しています。その一つが、人事やIT部門におけるグローバル会議。ベストプラクティスの共有を主な目的に開催しています。人事部門のグローバル会議では、各法人の状況・課題、人事施策の改善策などを検討。IT部門のグローバル会議では、日立グループ全体のITおよび情報セキュリティ統制の強化を図るとともに、生成AIの業務活用もテーマに議論を重ね、海外グループ会社との連携のもと、取り組みを推進しています。
男性育休取得推進
当社の男性育児休暇の取得の歴史は古く、2012年頃にさかのぼります。数か月間の育児休暇を取得したエンジニアが、復帰後、その経験を活かしてソリューションを開発したことから、会社としても注目し積極的に推進してきました。個人の希望や事情に応じてあたりまえに「男性も休む」、そして、それを組織も積極的に支援する文化の醸成は、取得者本人のメリットだけでなく、ジェンダーギャップの解消や、レジリエントな組織の実現に寄与するものです。2019年以降は、100%の取得をめざし、さまざまな施策で推進しています。
障がい者の活躍施策、雇用率
当社では、
1.社会的責任としての法定雇用率達成
2.職域の創出と現業範囲の拡大を図り、雇用の定着と活躍を推進
3.障がい者の雇用環境改善に積極的に取り組む
という基本方針を掲げ、障がい者雇用を行っています。
発達障がいと鬱を乗り越え、AI技術を習得して新たなキャリアへ
山本 元樹
株式会社日立ソリューションズ
業務革新統括本部
AIトランスフォーメーション推進本部
AX生産技術部
大学卒業後、地方自治体での採用を勝ち取ったものの、ストレスから2週間で休職。発達障がいに鬱が重なり退職を余儀なくされました。社会復帰をめざし、先端IT 業界への就労移行を支援する事業所で1年間、AIや 機械学習といった技術を習得。1カ月のインターン期間を経て当社に入社しました。得意分野である生成AIの全社導入を推進する部署で業務に従事。能力や意欲が評価され、5年目には課のリーダーに抜擢。活躍の領域を広げています。
難病と向き合いながら、技術力で社会に貢献するエンジニアの挑戦
藤岡 聡
株式会社日立ソリューションズ
スマートライフソリューション事業部
ライフイノベーション本部
通信サービス部 主任技師
進行性筋疾患である「ADSS1(エーディーエスエスワン)ミオパチー」は希少難病の一つ。下肢筋力の低下や、呼吸機能障がい、嚥下障がいなどを併発することが多く、発症率は100万人に1人と言われています。診断されたのは10年ほど前。車いす生活になった現在は、チームメンバーのサポートを受けながら、在宅勤務を中心に大手通信企業のコンシューマー向けのサービス開発などに携わっています。技術力を活かし、患者家族会の活動にも貢献しています。
ダイバーシティの理解促進
ダイバーシティ月間
ダイバーシティ推進に関する理解を促進し、一人ひとりが自ら考える機会を提供するため、グループ会社と一体となって毎年約1か月にわたり「ダイバーシティ推進月間」を開催。さまざまなイベントを実施しています。
各界著名人による講演や、従業員によるパネルディスカッションなどを対面またはオンラインで開催。多様性を活かすインクルーシブな組織風土の実現に向けた当社の活動のひとつです。
2009年ダイバーシティ推進専任組織発足以来、最先端かつ多様なテーマの講演を実施してきました。
2024年度講演一覧
LGBTQ+

当社では、従業員一人ひとりの多様な価値観が尊重され、誰もが能力を発揮して活き活きと働ける職場をめざし、環境を整備しています。その中で、従業員が自身の性的指向、性自認や性表現にかかわらず差別を受けないなど、LGBTQ+※についても、さまざまな施策に取り組んでいます。
全従業員を対象に、毎年LGBTQ+※に関するセミナーを開催するほか、e-ラーニング、「職場におけるLGBTハンドブック」の公開など、誰もが理解を深め、学べる環境を整えています。
2020年4月より、家族の定義に「同性パートナー」を新設。同性パートナーをもつ従業員も他の従業員と同等に、休暇制度・各種手当や福利厚生サービスの利用を可能としています。また、本社には、オールジェンダートイレを設置するなど、職場環境の整備も行っています。
これらの活動が評価され、「PRIDE指標2024」において、6年連続で「GOLD」を受賞。当社のグループ会社においても、積極的な活動を推進した結果、2024年度は日立ソリューションズ・クリエイトが4年連続で「GOLD」を受賞しています。
※LGBTQ+ : Lesbian(レズビアン)、Gay(ゲイ)、Bisexual(バイセクシュアル)、Transgender(トランスジェンダー)、Quetioning(クエスチョニング)、+(その他のセクシュアルマイノリティ)の総称。
当社グループ会社におけるダイバーシティ推進の取り組み
グループ会社一体でイベントを共同開催
ダイバーシティ推進月間を設け、グループ会社一体で、社外有識者による講演会や従業員参加型による座談会を開催し、個の多様性を活かす組織運営をめざしています。2024年度は「多様性を力に換える組織」「一緒にLGBT&ALLY(アライ)を知ろう」をテーマに開催しました。

