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RPA業務自動化ソリューション RPA業務自動化ソリューション

RPA業務自動化ソリューション 【コラム】ニューノーマル時代に、企業がRPAを最大限活用するために考えるべき課題とは

RPA活用失敗あるあるを紹介!
リプレイス(再検討)後のツールを選び直す際の注意点についても解説

RPAを導入しても想定通りに業務が効率化できていない場合、業務自体の見直しを行い、RPAを再度適切な工程に配置してみましょう。もしそれでもうまくいかないのであれば、現在使用しているRPAが本当に自社にとって最適なものなのか、リプレイス(再検討)を行う必要があるかもしれません。ただし、やみくもにリプレイスを行っても失敗を繰り返すだけなので、どこに問題があるのか、どうしたらリプレイスが成功するのかを事前に頭に入れておく必要があります。産業RPA活用アドバイザーである福田 敏博さんに、そのポイントを解説してもらいました。

福田敏博氏の写真

産業RPA活用アドバイザー・産業サイバーセキュリティコンサルタント

福田 敏博 氏

JT(日本たばこ産業株式会社)に入社し、たばこ工場における制御システムの設計・運用・保守などに携わる。その後、ジェイティ エンジニアリング(株)へ出向。システムエンジニア、プロジェクトマネージャー、コンサルタントとして、数多くの産業系システムの構築を手がける。
現在は、経営工学(マネジメント)・IT(情報技術)・OT(制御技術)を融合したコンサルティングに強みを持って活動中。産業サイバーセキュリティの分野では、第一人者として著名である。また、「スライドさばきの達人」といわれる独自のセミナー講演も定評。

著書:『ひとり情シスのためのRPA導入ガイド』『ひとり情シス「セキュリティ寺」へ駆け込む!』(リックテレコム)、『図解入門ビジネス 工場・プラントのサイバー攻撃への対策と課題がよーくわかる本』(秀和システム)

「業務時間の把握ができていない」「誰がつくったのか分からない」…RPA導入企業が陥りがちな失敗

「RPAを導入したが、業務がまったく効率化されていない。」そんな声をよく聞きます。現在もそんな悩みを抱えている方のために、RPA導入企業が陥りがちな失敗事例をご紹介します。産業RPA活用アドバイザーとして企業を見てきた経験から、よく陥りがちなケースとしては、次の3つが挙げられると考えています。

  1. ① RPAを使うことが目的になっている(手段と目的が逆転)
  2. ② RPAが向かない対象の業務にも無理にRPAで自動化しようとする
  3. ③ 経営層はRPAを使うことで業務時間が削減できると単純に考えている。

これらについては前回の記事でも軽く触れましたので、そちらを読んでみてください。他にも、いくつかの理由が考えられるのでここで挙げてみましょう。

RPA導入失敗あるある

●RPAツールの選定が間違っている

RPAツールには、パソコンだけで手軽に導入可能でも、ロボット管理や複雑なシナリオ作成には適していないものがあります。 またRPAツールでロボット管理や複雑なシナリオ作成に対応できるが、コスト面やシステム環境の構築の面では、企業にとって負担が重くなる場合もあります。
他にもクラウドサービスを活用すれば機器の準備は不要ですが、ロボットがクラウド上に管理されることによるセキュリティ面の懸念などが考えられます。
このように、RPAツールにはさまざまな特性をもったものが存在します。現場の仕事を把握せずに、現場に合わないツールを選択してしまうと、「使いづらい」または「使えない」という事態が発生します。

●現場のユーザー部門がどの仕事にどのぐらいの時間をかけているか把握していない

これは上記で挙げた③の「経営層はRPAを使うことで業務時間が削減できると単純に考えている」にも通じる話ですが、RPA導入の目的は業務の効率化にもかかわらず、実際の現場で、どの仕事にどのぐらいの時間をかけているか把握していないのに、導入してしまうケースがあります。現場の業務の目的とその工程、それにかかる時間の全容が可視化されておらず、全工程のうちどの部分をRPAに置き換えれば業務全体の効率化が進むかが明確になっていない状況で、RPAを導入してもうまくはいきません。

●誰が開発したか分からないロボットが放置されている

企業によってはRPAの開発スキルや運用リソースが不足することがあります。そうなると、期待していた効果を発揮できないばかりか、誰が開発したか分からず運用もされないで放置された野良ロボットが増え、管理すらままならなくなってしまいます。放置されることで無駄な運用コストがかかるだけでなく、中には野良ロボットが余計なアクションを起こすことで、現在動いているRPAの誤作動の原因となる恐れもあるのです。

●導入後の効果検証ができていない

RPA導入は目的ではなく手段のため、現場に導入したら、実際に業務が効率化されたか検証をする必要があります。しかし、実際は効果検証をせずに、業務が効率化されたのか誰もがよく分からないまま、利用されているケースもあるようです。

以上が、産業RPA活用アドバイザーとしてさまざまな企業に携わってきた中で、よく耳にしてきた失敗あるあるです。思い当たる問題は見つかりましたでしょうか。まず具体的にどのような問題があるかを浮き彫りにすれば、リプレイスするにしても、引き続き同じRPAを利用するにしても、解決策を見いだすことができるでしょう。その解決策にたどり着くまでの具体的なプロセスは、次で詳しく解説していきます。

リプレイスを成功させるために、どのようなことに注意してRPAツールを選び直すべき?

RPA運用に関する問題点を洗い出し、解決策としてリプレイスの実行を検討したとします。その際に「何となく」の感覚でRPAを選んでリプレイスをしても、別の新たな失敗に陥ってしまうかもしれません。また、世の中にはたくさんのRPAツールがあるので、どれを選べばよいのか迷う、という企業も多いのではないでしょうか。そこでリプレイスを成功させるためには、新しいRPAツールを選ぶ際にどのような点に気をつけて選べばよいかをまとめてみました。

RPAツールを選び直す際の注意点①
現状の課題とRPA導入の目的を見直し、新しいツールに求める機能は何かを見直す

RPAツールの中から業務に最適なものを見つけるためには改めて、最終成果物を作るためにはどのような仕事があるのか、そして現在使用しているツールの課題とは何か、どの過程であれば他のRPAで自動化できるのか、などを洗い出す必要があります。

たとえば現状の課題が「ロボットの品質がバラバラ」なことであればロボットの管理機能が充実したものを、「初心者フレンドリーではあるが高度なロボットの開発が大変」ということであれば、フロー型もリスト型も使用できるものを選ぶとよいでしょう。またロボットがすぐ止まるようであれば、ロボットが安定して稼働するツールを選択しましょう。それからセキュリティ上の問題でログイン処理を自動化(RPAのシナリオに設定)せず人の手で対応している場合は、たとえばログイン情報(ユーザーID・パスワードなどの管理)を秘匿化するような機能を持つRPAツールを選択すれば、ログイン処理を自動化しても安全にログイン情報が管理できます。

できるだけ具体的に目的を明確化することで、「シナリオ作成画面が見やすいものがいい」とか「コミュニケーションツールと連携できるものがほしい」など、新しいRPAツールに求める機能がより明確になってくるでしょう。その欲しい機能をもとにチェック項目を用意すると、新しいRPAツールにその機能が備わっているかが分かりやすくなり、選択・決定時にも迷いにくくなります。

RPAツールを選び直す際の注意点②
付き合いのあるベンダーというだけで選ばない

私が企業のRPA導入を支援してきた経験から振り返ると、多くの企業はRPAを選ぶ際、情報システム部門と付き合いのあるベンダーのツールが選ばれて、ユーザー部門がそれを活用するというケースが多いように感じています。しかし、それでは業務内容とツールの特性の“ミスマッチ”が生まれてしまいます。たとえば欲しい機能が備わっているか確認するためのチェックリストを用意すれば、本当に必要かどうかが見極めやすくなります。

RPAツールを選び直す際の注意点③
テレワークでも操作しやすいツールを選ぶ

現在のようにテレワークが増えているなかでは、オフィスに設置された開発端末や管理サーバーを操作することが難しくなってきています。そのため、テレワークでもRPAを操作したいのであれば、web上で操作できるツールを使用すると、ブラウザーのみでロボットの管理や開発を行うことが可能です。

RPAツールを選び直す際の注意点④
本格導入を行う前に試験運用ができるツールを選ぶ

テストをせずに現場に導入すると、想定していなかったトラブルが発生して、業務に混乱をきたす恐れがあります。そうならないように、同じ環境で試験運用を行えるRPAツールを選ぶと、シナリオの修正などのチューニングを行ってから現場へ導入できるので、ユーザー部門としても安心して導入できるでしょう。

インフォーマルな組織でRPAの運用体制をさらに改善

ここまでリプレイスを成功させるためのプロセスを紹介してきました。しかしツールだけではなくRPAの運用体制については、日頃から見直した方がよいでしょう。とくに企業によっては、情報システム部門などから手厚いサポートを受けることも、現場で分からないことがあってもすぐに解決できるような環境も、あまり期待できないケースがあるかもしれません。

そこで私がおすすめしたいのが、「インフォーマルな組織」を組むことです(経営学の組織論では、自然発生的に形成される集団を「インフォーマルグループ」と言います)。職場では、身近な仲間同士が仕事の枠を超えて、結びつきを強くし、そこからモチベーションが向上することがあるものです。

たとえばRPAの運用に関していえば、現場担当者が1人で悩むのではなく、社内で「RPA改善グループ」を作り、部署横断でRPAに取り組んでいる社員を集めて、それぞれの経験やノウハウを共有するとよいと思います。

また、RPAを確実に管理するという面では、複数のRPAツールの運用や操作を一元管理することができる、RPA運用管理サービスを導入してもらうことも1つの方法です。現場だけで適切に管理するのは難しい面もありますが、運用管理サービスを使えば、その企業で利用しているすべてのRPAを1つの画面で管理することも可能になります。

RPAの導入自体を目的とせず、業務効率化の手段になるように、しっかり運用体制と管理体制を整えておきたいところです。

まとめ:リソースが少ない企業こそ、RPAの運用体制と管理体制の見直しをこまめに行うべき

RPAはさまざまな要因でエラーを起こし、想定通りに動作しないケースがあります。その場合、1人もしくは少人数で問題を抱え込んでしまうことも多いのではないでしょうか。そのような体制では、どこに問題があるのかを把握することができず、改善どころかさらに状況が混乱する可能性があります。RPAで業務効率化をはかるためには、自動化したい業務に合ったRPAへのリプレイスを検討することはもちろん、運用体制についてもこまめに見直した方がよいでしょう。次回は、部門別RPA活用事例をご紹介します。

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