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オンラインプレゼンは難しい?伝わるプレゼンのコツを徹底解説

オンラインプレゼンは難しい?伝わるプレゼンのコツを徹底解説

働き方改革の実現や新型コロナウイルス感染拡大予防のために、さまざまな企業でテレワークの導入が進んでいます。それに伴い、これまで対面で行われていた商談やプレゼンテーションがオンラインで実施されるケースが増えているものの、オンラインだからこその難しさがあると言われています。本コラムではその理由と、オンラインプレゼンにおける具体的な課題解決策を紹介します。

※本コラム記載の情報は2023年1月時点のものです。

「オンラインプレゼン」「対面プレゼン」違いとは?

対面プレゼンとは、クライアントと提案者が会議室などの同じ空間に一堂に会し、提案したい企画や商材を説明する、従来のプレゼンテーションの形式を指す言葉です。それに対してオンラインプレゼンとは、ウェブ会議ツールなどを利用することで、インターネットを介してそれぞれが、別々の場所から参加するプレゼンテーションのことです。このことから対面プレゼンとオンラインプレゼンには、コミュニケーションの質に大きな違いが生まれます。分かりやすい例で言えば、オンラインプレゼンは通信状況に影響を受けるため、参加者の通信環境によって説明された内容の理解度にバラつきが生まれる可能性があります。対面プレゼンのように同じ場所にいる人同士であれば、個人の捉え方による差を除いて、そういったことは起こりません。このように両者の間には形式だけではない違いが生まれるため、「オンラインプレゼンは難しい」と言われています。

オンラインでのプレゼンが難しい理由とは?

「オンラインでのプレゼンが難しい」と言われている背景には、上記のとおり、対面では起こらないオンラインならではのコミュニケーション上の問題があります。この問題を解消するために、まずその要因を確認しておきましょう。コミュニケーション上の問題が生じる理由としては、「聞き手の集中力が持続しないため」「人柄や感情が伝わりにくいため」「体験としてのクオリティが低下するため」という3つを挙げることができます。以下で詳しく説明します。

理由① 聞き手の集中力が持続しないため

対面プレゼンの場合、会議室などで、話し手から直接自分の姿が見える状態でプレゼンを聞くことになります。しかしオンラインプレゼンの場合には、カメラをオフにしてしまえば、話し手から自分の姿は見えません。また自宅やカフェ、好きな場所から参加しているため、プレゼンを聞きながら別の業務をしたり、コーヒーを飲みながら休息したりすることができるため、聞き手の気が散りやすい傾向にあります。つまり集中しなければならない環境にある対面プレゼンに比べて、オンラインプレゼンでは聞き手が集中しにくい環境にあると言えます。特に話し手が1人で聞き手が複数の場合には、「誰かが聞いているだろう」という意識も働くため、「しっかりと聞こう」という気持ちはどうしても薄れてしまいがちです。

理由② 人柄や感情が伝わりにくいため

対面プレゼンの場合には、話し手は目の前にいる聞き手と適宜目を合わせながら、身振り手振りを交えて説明をします。その際に聞き手の表情やリアクションを見ながら進めているので、そこにはコミュニケーションが生まれています。しかしオンラインプレゼンの場合、互いにPCの画面などを見ていると、目線が合うことがなく、話し手の身振り手振りも伝わりません。特に資料を投影してプレゼンを行う場合には、聞き手は資料だけを見ながらただ話を聞くだけになるため、一方通行のプレゼンになりがちです。そのため、話し手は相手の気持ちやその場の空気がつかみにくく、慣れるまではやりにくさを感じる人も多いでしょう。聞き手としても、話し手の人柄や提案に込めた思いまでをくみ取るのがどうしても難しくなります。

理由③ 体験としてのクオリティが低下するため

オンラインプレゼンでは、ウェブ会議ツールやウェビナーツールを利用することになりますが、音質や画質が悪い場合、聞き手にとってはストレスの原因になります。また通信状況が良くない場合には、音声や映像が途中で途切れてしまうリスクもあります。これも聞き手にとってはストレスにつながってしまいます。そのほかにも、慣れないうちは接続するまでに手間がかかったり、操作が分からなかったりと、不満を感じる要素が多くあります。また前項で述べたとおり互いに感情が伝わりにくいこともあり、プレゼンをひとつの体験として捉えたときに、対面プレゼンよりもオンラインプレゼンはクオリティが下がりやすく、聞き手の満足度も低くなりがちです。

伝わるオンラインプレゼンを構成するための要素とは?

相手に伝わるプレゼンの重要な要素は大きく分けて2つあります。それは「コンテンツ」と「デリバリー」です。そして、「コンテンツ」において重要なのは「ストーリー(全体の構成)」と「デザイン(資料作成)」、「デリバリー」においては「発表(話し方)」「環境(機材や通信環境)」です。この4つの中でも「ストーリー」に関しては、対面でもオンラインでも気をつけるポイントは同じと考えて良いでしょう。そのため以下では、オンラインプレゼンで注意すべき3つの要素として「デザイン」「発表」「環境」について詳しく説明します。

オンラインプレゼンのコツ①「資料作成」編

1スライド1メッセージ(ワンスライドワンメッセージ)を意識する

プレゼン資料を作成する際には、相手に伝わりやすくしたり、印象に残りやすくしたりするために、デザインする必要があります。デザインするとは、ただ資料のビジュアルを美しくするだけではありません。情報を整理がすることが大切です。聞き手に「良い」と思ってもらおうとすると、どうしても情報量が多くなりがちです。しかし1つのスライドにメッセージを詰め込みすぎると、聞き手にとっては結局どれを伝えたいのかが分かりにくくなってしまいます。もちろんこれは対面プレゼンにも言えることですが、オンラインの場合には話し手の気持ちがくみ取りにくいので、特に気をつける必要があります。1スライド1メッセージを心掛けましょう。

内容がひと目で分かるようにする

1つのスライドに入れる情報量を絞れたら、次に意識するべきは分かりやすさです。分かりやすくするための具体的な方法としては、図やグラフを入れたり、一番伝えたいメッセージのフォントを大きくしたりするなどがあります。ひと目見ただけでそのスライドの主題が何であるのか、伝えたい内容が何であるのかが、誰でも分かる状態にしておくようにしましょう。

アニメーションなどでプレゼン資料に動きをつける

オンラインでのプレゼンが難しい理由として、聞き手の集中力が続かず、別の業務や作業をしながらプレゼンを聞く人が出てくると説明しました。これは聞き手がプレゼンに飽きてしまっていることにも起因します。そこで聞き手を飽きさせない工夫として、パワポのアニメーション機能を活用して、スライドに動きをつけるのがおすすめです。いわゆる紙芝居形式の動きのないスライドだけだと、聞き手はスライドを自分で読んで理解しまい、話を聞く必要がない、退屈だと感じてしまいます。聞き手がスライドだけではなく、話し手が話している姿にも目をやる対面のプレゼンに比べて、オンラインプレゼンでは資料だけに目が行ってしまうため、こういった状況が起こりやすくなるのです。

文字・グラフなどは大きめに作成する

対面プレゼンであれば紙の資料を配布し、大きな画面に資料を投影することが多いですが、オンラインプレゼンの場合には、聞き手は自分の手元にあるデバイスの画面上で資料を見ることになります。そのため資料の文字やグラフが小さいと、かなり見えにくくなってしまいます。対面時のプレゼン資料よりも、文字やグラフを大きめにするように意識しましょう。

重要な点に絞り込んで文字の量を減らす

「1スライド1メッセージを意識する」の項で述べたとおり、情報量に気をつけることが重要ですが、文字量に関しても多くなりすぎないように注意しましょう。文字が多い資料はそれだけで読む気が失せてしまいます。また文字が多くなると一つひとつの文字サイズが小さくなってしまうので、読みにくくなってしまいます。資料に記載する内容を絞ったらできる限り文字の量を減らし、補足したい部分は口頭で伝えるようにしましょう。

オンラインプレゼンのコツ②「発表」編

最初にプレゼンの全体像を説明する

聞き手の集中が途切れてしまったり、飽きられてしまったりするのをできるだけ防ぐ方法として、冒頭でプレゼンの全体像を説明することは有効です。その際にどのくらいで終わるのかを伝えておくと、聞き手には「その時間は耳を傾けよう」という意識が働きます。
また、これは対面プレゼンでも同じですが、冒頭の説明はどれだけ興味を持ってもらえるかが重要です。いわゆる「つかみ」です。この時点で「面白い」「もっと聞きたい」と思わせることができれば、オンラインプレゼンでも最後までしっかりと耳を傾けてくれるでしょう。もちろん冒頭だけではなく、最後まで相手の気持ちをつかんでおく必要はありますが、その方法については以下で紹介します。

カメラを通して相手の目を見る

対面プレゼンでは、手元にある原稿やカンペばかり見ていると熱意が伝わりにくくなるため、聞き手の顔を見ながら進めるのが定石とされています。そのためオンラインプレゼンでやってしまいがちな失敗が「画面上に表示された聞き手の顔」を見ながら説明をするということです。話し手は聞き手の顔を見ているつもりですが、聞き手からは下を向いて話しているように見えてしまいます。画面ではなくきちんとカメラを見ながら話すことで、自分のほうを見て話していると聞き手に感じさせることが大切です。
ただ実際やってみると、聞き手のリアクションを見ずにひたすらカメラ目線で話すのは意外と難しいものです。そこでカメラ位置の近くに相手の顔が表示されるように、ウェブ会議ツールを設定するのがおすすめです。カメラ目線を保ちながら聞き手の反応も見られるので、話しやすくなります。実際に目が合うわけではないので、対面よりも緊張せずに話せるという人もいます。

表情・身振りを大きくする

オンラインプレゼンでは、聞き手は画面越しで説明を聞くことになるため、話し手の身振りや表情が分かりにくいというデメリットがあります。さらに話し手はカメラに向かって説明をすることになるため、どうしても身振りは小さくなり、表情も乏しくなってしまい、一層聞き手に伝わりにくくなってしまうという事態に陥ります。話し手は聞き手からは見えにくいということを頭に置き、意識的に身振りを大きくして、表情も豊かにすることが大切です。少し恥ずかしいと思うくらいにオーバーなアクションをすることで、オンラインプレゼンのデメリットを克服しましょう。

相手の音声の有無によってトークテンポを変える

相手に言葉で物事を伝える際に重要な要素のひとつが、トークテンポです。そしてオンラインプレゼンにおいては、聞き手の音声がオンになっているか否かによって、トークテンポを変える必要があります。聞き手の音声がオンになっている場合には、説明の途中で質問をされる可能性があるため、比較的ゆっくりと話すほうが良いでしょう。「ここまでで何か質問はありますか?」など、聞き手に対して質問を促すことで、コミュニケーションを充実させることもできます。反対に聞き手の音声がオフになっている場合には、少し早めのテンポで話すように心掛けましょう。「まずは説明を聞きたい」という意思表示でもあるので、早口になりすぎない程度に熱を込めて説明するのがおすすめです。

全体の構成とストーリーは”簡潔に分かりやすく”

聞き手の集中が途切れやすいオンラインプレゼンでは、分かりにくい説明をすることは避けなければなりません。そこで論文などを書く際によく用いられる文章の構成手法であるPREP(プレップ)法を活用しましょう。PREP は、Point(結論)、Reason(理由)、Example(具体例)、Point(結論をもう一度)の頭文字をとったものです。これはプレゼンにも使える手法で、P→R→E→Pの順番で話の筋道を作ることで、伝えたい情報を簡潔に分かりやすく伝えることができます。PREP法でプレゼンをすれば、提案内容の内容とその理由をしっかりと論理立ててプレゼンできるので、説得力も高まります。

聞き手にアクションを求める

「相手の音声の有無によってトークテンポを変える」の項で、聞き手の音声がオンになっている場合には、質問を促してみると良いと述べましたが、集中を途切れさせないようにするという意味でも、聞き手に何らかのアクションを求めるのはおすすめです。オンラインプレゼンではウェブ会議ツールなどを使うことが一般的ですが、そういったツールにはチャット機能が備わっているものが多く、音声で質問をしにくい場面ではチャットに書き込んでもらうのも良いでしょう。また質問だけでなく、スタンプなどを使ってリアクションをしてもらうなど、双方向のコミュニケーションが気軽にできるのは、オンラインプレゼンならではの良さと言えます。

関連情報:遠隔プレゼンテーション Personify Presenter

オンラインプレゼンのコツ③「環境」編

機材環境を整える

オンラインプレゼンでは、PCやカメラ、マイクなどといった機材が必要不可欠ですが、ただ用意するだけではなく、プレゼンに適した環境を整えるようにしましょう。ポイントは3つあります。1つ目は、プレゼンに関係のないアプリケーションやファイルを閉じておくことです。プレゼンの途中で映像が乱れたり、音声が途切れたりしないよう、なるべくPCに負荷がかからないようにしておきましょう。2つ目は、音質の良いマイクを選ぶことです。音質が悪かったり、音が割れていたりすると、聞き手に対して強い不快感を与えることになるためです。また、音声が途切れるリスクを避けるなら、やはり有線接続のほうが安心です。3つ目は、カメラの画角を調整することです。PCに標準搭載されているカメラの場合、聞き手から見たときに話し手が見下ろしているようになるため、見栄えが良くありません。PCの下に台を置くなどして、カメラ位置を調整するようにしましょう。

通信環境を整える

機材環境のほかに、オンラインプレゼンならではの注意点としては通信環境があります。通信環境を整えることで、プレゼンの途中で映像が乱れたり、音声が途切れたりするリスクを最小限に抑えるようにしましょう。使用している回線の通信速度は手軽に変えられるものではありませんが、プレゼン対策として手軽にできることはあります。それは無線ではなく有線で接続することです。Wi-Fiの性能が高まっているものの、有線で接続するほうが通信環境は安定します。もし有線が難しい場合は、なるべくWi-Fi接続が安定している場所で行うようにします。ルーターから離れていたり、間に障害物があったりすると、Wi-Fi電波は弱くなるので注意しましょう。古いルーターを使用している場合には、ルーターを買い替えることでWi-Fi接続が安定することもあるため、買い替えを検討してみるのもおすすめです。

臨場感のあるオンラインプレゼンなら日立ソリューションズがおすすめ

ここまで説明してきたとおり、一般的なウェブ会議ツールではどうしても聞き手に伝わりにくかったり、飽きられてしまったりするというオンラインプレゼンのデメリットがあります。それを克服するための解決策として日立ソリューションズでは、臨場感のあるオンラインプレゼンを実現するためのソリューションとして、遠隔プレゼンテーション「Personify Presenter」を提供しています。
「Personify Presenter」では、プレゼン資料と話し手の映像を簡単に合成することができるため、表情や身振り手振りといった視覚情報を聞き手に与えることが可能です。資料だけが画面で共有されるプレゼンとは異なり、動きのあるビジュアルで、聞き手を飽きさせることがありません。上記で説明したさまざまなコツと組み合わせれば、対面プレゼンと変わらない充実した内容のプレゼンを実現することができます。

関連情報:遠隔プレゼンテーション Personify Presenter

まとめ

テレワークが社会に浸透する中で、オンラインでプレゼンをする機会は急激に増えています。しかしほとんどの企業が、これまでオンラインプレゼンの経験をあまりしていなかったため、当然ノウハウも蓄積されておらず、苦労しているというのが現状です。そして新型コロナウイルスの問題が解決したとしても、働き方改革が進む中で、オンラインプレゼンがなくなることはないと考えられます。ぜひこのコラムを参考に、対面プレゼンと同等、もしくはそれ以上の成果が得られるように、しっかりと対策を考えるようにしましょう。

※本コラム記載の情報は2023年1月時点のものです。

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