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ビジネスコラム

【専門家監修】ペーパーレス化の事例を紹介! 成功企業から分かる3つのポイント

  • 記事公開日:

リモートワークの普及や電子帳簿保存法の改正などが追い風となり、ペーパーレスの導入を検討する企業が増えています。ところが、スムーズにペーパーレス化が成功するケースもあれば、途中で壁にぶつかり、失敗してしまうケースも出てきているのが実情です。企業のペーパーレス化は一筋縄ではいかないプロジェクトなのです。

そこで今回は、日立ソリューションズがペーパーレス化を支援した企業の成功事例を紹介するとともに、ペーパーレス化に失敗する企業が陥りがちなポイントと対策についても解説します。

監修者

石田 育央

株式会社 日立ソリューションズ
スマートライフソリューション事業部 ビジネスコラボレーション本部 ドキュメントマネジメントソリューション部
部長

石田 育央

入社後、Millemasse、ラビニティなど文書管理製品の開発に従事。現在は、最新プロダクトである「活文 Contents Lifecycle Manager」のシステムインテグレーション中心とした文書管理ソリューションの取り纏めを担当。

「活文」を使った導入事例

「活文」を使った導入事例

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ペーパーレスの導入・定着化がスムーズにいかずに悩む企業は多い

ペーパーレスの導入・定着化がスムーズにいかずに悩む企業は多い

ペーパーレス化が思うように進まない要因にはさまざまなものがあり、企業が置かれている環境によっても要因は異なります。また、要因は一つではなく複合的であることも。

しかし、成功している企業も失敗してしまう企業も、抱えている課題はさほど変わりません。抱える課題が困難であるほどペーパーレス化に失敗しやすい、というわけではないのです。

ではなぜ、同じ課題を抱えているのに成功する企業と失敗してしまう企業に明暗が分かれてしまうのでしょうか?

ペーパーレスの導入に成功した3社の事例と成功のポイント

まずは、実際に日立ソリューションズで取り組んだ3つの事例についてご紹介します。

(1)富国生命保険相互会社様

https://www.hitachi-solutions.co.jp/katsubun/case41/

富国生命保険相互会社様では、2021年3月に本社オフィスリニューアルを控えていました。新社屋では書庫のスペースが大幅に削減するため、早急に既存文書の電子化を進め、紙で保管する必要がないものについては破棄しなければならないという課題を抱えていました。
既存文書は、縦に積み上げると高さ4,000m以上に及ぶほど膨大な量でした。これらの文書について、まずは紙で保管し続けるべきもの、電子化して破棄するもの、そのまま破棄してよいものに分類する作業が必要となりました。

日立ソリューションズではサーバー上で動作する文書管理システムを構築するとともに、その前段階として株式会社日立コンサルティングと連携し、現状調査とアセスメントを実施。1年近い時間をかけて文書を選別し、システム導入のための土台作りをおこなったうえで文書管理システムを導入しました。そして、廃棄や外部倉庫への保管も含めた結果として、既存文書の75%を削減することに成功しています。

(2)JCOM株式会社(旧:株式会社ジュピターテレコム)様

https://www.hitachi-solutions.co.jp/katsubun/case39/

日本でも最大級のケーブルテレビ会社であるJCOM株式会社様では、サービス加入世帯数の増加によって、申し込み関連書類を保存するデータセンター内のストレージが足りなくなる事態に陥っていました。

今回の事例では、8,000万件以上という膨大な量のデータを迅速に検索し、閲覧するというニーズをクリアする必要がありました。そこで、Microsoft Azure 上に「活文 Contents Lifecycle Manager」と「活文 企業内検索基盤」を組み合わせたシステムを構築。既存データを新しい文書管理基盤に登録していくことにより、検索速度の高速化に成功するとともに、申し込み関連書類を全国の拠点で共有して検索・閲覧できるシステムが完成しました。

オンプレミスのストレージを買い足すという従来のやり方からMicrosoft Azure上に活文を構築する方法に変えたことで、コストの削減にも寄与しています。本件では、課題と目的が明確であったことがペーパーレス化の大きな成功要因だと考えています。

(3)ペーパーレス会議の事例

約100名の参加者を擁する会議で配布する資料のペーパーレス化をしたいというニーズに対応した事例もあります。

会議は少なくとも月に2回開催され、毎回100~200ページもある資料を用意する必要があったようです。会議が近づくと資料の差し替えが発生することもあり、担当部門の方々の作業負担はかなりのものでした。

また、資料の中には機密情報も含まれるため、会議終了後には一旦資料をすべて回収しなければならず、回収漏れのリスクも懸念事項だったといいます。

こうした課題を解決するため、日立ソリューションズではペーパーレス会議システムを構築。iPadに活文のアプリをインストールして会議で配布することで、iPadで資料を閲覧できるようにしました。

これにより、資料の印刷・回収の手間を大きく削減。会議後に回収要の機密情報を除いた資料のみを再度アップロードし、会議の参加者から参照が可能とすることで、機密情報の保護と情報共有を両立させることができました。

単にペーパーレス化を進めたいという意思表明だけでは、現場の方の理解は得られません。本件では、資料のペーパーレス化によって得られる副次的なメリットを訴求することで、ペーパーレス化の理解が得られた点が成功の要因だと考えられます。

ペーパーレス化に失敗する企業に共通する3つの要因とは

ここまではペーパーレス化の成功事例を基に成功のポイントを見てきました。では、ペーパーレス定着化に失敗してしまう企業に共通する要因はどこにあるのでしょうか。

作業負担が大きく、ペーパーレス化の導入に至らない

ペーパーレス化を進めるうえで大きな課題になるのが、社内に保管されている膨大な紙文書の電子化作業です。
まず、そもそも誰が電子化の作業を進めるのかを決める必要があります。先ほどの富国生命保険相互会社様の事例のところでも触れましたが、単に書類をスキャンすれば良いというわけではなく、まず書類の選別から始めなければなりません。

また、法律によって「この文書は紙でも保管が必要」と定められているものもあるため、法律にも準拠しながら進めていく必要があります。スキャン時に傾いたり画像がぼやけたりしないよう、それなりのテクニックも必要です。

既存の紙文書の電子化を外部に委託すると相当なコストがかかるため、何とか社内で済ませたいと考えられるケースも多いのですが、実際始めてみると作業負担が重すぎてとても進められず、途中で辞めてしまうケースはかなり発生しています。

社内の意識のすりあわせができておらず、方針が二転三転してしまう

ペーパーレスのためにシステムを導入する多くの企業が、まずは一部の部署から導入を始めます。そうすると、主幹部署や企画部署が取りまとめ部署になりますが、それらの部署と関連部署との意見が分散してしまうケースはよく見られます。

また、主幹部署の中で担当者が代わったことにより、ペーパーレスを導入する目的や方向性にブレが生じてしまうケースも多々あります。

ペーパーレスの導入には成功したものの、定着化がうまくいかない

ペーパーレス化に失敗してしまう最も大きな要因がこの部分です。ペーパーレスのためにシステムを導入したものの、システム稼働後の監視がなされないために、社内でペーパーレスに向けた目的や意識の共有がうまくできず、従来の紙文書の出力をする業務フローに戻ってしまうケースは珍しくありません。

ペーパーレス化を成功させるために欠かせない要件とは

ペーパーレス化を成功させるために欠かせない要件とは

これらを踏まえて、ペーパーレス化を成功させるために欠かせない要件を導きます。

外部に委託するべき作業の洗い出しを行う

外部に作業を委託するとコストは発生しますが、ペーパーレス化までの期間や労力を大幅に短縮できることも事実です。

「急がば回れ」という言葉がありますが、目の前のコストだけでなく、長期的な視点に立ったうえでのコスト削減を視野に入れたうえで、ペーパーレス化に必要な各作業について外部に委託するかどうかを選別することが大切です。

ペーパーレス化に向けた、主管部署やトップの強い意思が必要

ペーパーレス化を成功に導くには、「絶対にペーパーレスを導入する」という、主管部署やトップの強い意思が必要です。

途中で目的がブレないままシステムの導入まで至るためには、現時点でどのような問題が起きているのかを把握し、課題を洗い出すことが不可欠です。逆に言えば、現状把握と課題の洗い出しさえできていれば、自ずと「何をするべきか」が見えてきます。

ペーパーレスは導入して終わりではない。稼働後の監視が重要

ペーパーレス化には労力もコストもかかるため、システムを導入したら一息ついてしまいがちです。しかし、ペーパーレスは導入してからが本当のスタートです。システムが正常に稼働しているかという監視に加え、運用が進んでいるか、ペーパーレス化が社内で普及しているかを監視することが重要です。

(まとめ)ペーパーレスを成功させるには、目的と課題の明確化が不可欠

ペーパーレスの導入について、成功事例を紹介しつつ、成功の要因や失敗を防ぐための対策についても紹介しました。

ペーパーレスを成功させるために欠かせないことが、目的意識と課題の明確化です。もし目的や課題がはっきりとわからない場合は、ペーパーレス専門の外部コンサルタントに相談してみることで、社内では見えてこなかった課題や解決策が見えてくるかもしれません。

日立ソリューションズでも、システムやソリューションの導入支援のほか、目的意識と課題の明確化など、ペーパーレス化の準備段階についてもサポートしています。今回紹介した事例なども参考にして、ぜひペーパーレスの導入に向けて一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

活文は「保存管理」「伝達共有」「価値創出」3つの力で企業のペーパーレス化を支援

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