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ビジネスコラム

【専門家監修】ペーパーレスとは何? 導入のための準備や進め方についても解説

  • 記事公開日:

リモートワークの普及やDX(デジタルトランスフォーメーション)、SDGsなどを背景に、ペーパーレスが注目されています。しかし、ペーパーレスは、単に「紙」を電子化するだけでは実現できません。「紙」が関わる業務も変えていく必要があります。
では、企業がペーパーレスを導入する場合、どのような準備をすればよいのでしょうか。今回は、ペーパーレスの概要や推進の背景に加え、ペーパーレスをより便利に進めるソリューションについても解説します。

監修者

中川 克幸

株式会社 日立ソリューションズ
スマートライフソリューション事業部 ビジネスコラボレーション本部 マーケティング推進部
部長

中川 克幸

セキュリティーソリューションのSE・マーケティング活動を経て、現在は企業のDX推進につながるビジネスデータ活用の講演・提案などを中心に活動中。

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ペーパーレスとは、オフィスから紙を無くし、電子化を進めること 

企業では、注文書や請求書、契約書、決算書や帳簿、会議資料など、日々多くの業務に関連する文書が作成・交付されています。
従来であればこれらの文書はすべて紙に印刷されていましたが、紙ではなく電子化して、紙の代わりにPCやタブレットなどの端末で閲覧するというのが、広義の意味の「ペーパーレス」だと言えます。

そもそも、文書を紙で印刷する大きな理由となっていたのがハンコの押印です。日本では海外の署名(サイン)と異なり、契約書や請求書などの対外的な重要書類のほかにも、社内の稟議書や回覧など、さまざまな文書にハンコで押印する文化が根付いています。

電子契約サービスの登場で、押印不要(ハンコレス)の流れが生まれたことも、ペーパーレスの1つと言えるでしょう。

日立ソリューションズの親会社である株式会社日立製作所でも、ペーパーレスによる業務改革を通じて「社会価値、環境価値の向上」に取り組むことを目標に「ペーパーレス推進プロジェクト」を立ち上げました。新たな働き方の実現に向けて2021年度中に社内の押印業務を全面的に廃止する計画です。

このプロジェクトでは、日立グループ(上場子会社を除く)の国内年間紙使用量を7億枚(A4換算)から2020年度には約70%(約5億枚)削減をめざすことを掲げています。そして、日立ソリューションズもペーパーレス推進の一翼を担っています。
このように、ニューノーマル時代の働き方に対応していくために必要な改革のひとつが「ペーパーレス」と言えます。

企業におけるペーパーレスの検討と推進は近年ますます加速しています。その背景にある大きな要素が、コロナ禍によるリモートワークの普及と法改正です。

ペーパーレスが普及した背景にあるのが、リモートワークと法改正

ペーパーレスが普及した背景にあるのが、リモートワークと法改正

リモートワークの浸透は、ペーパーレスへの大きなきっかけに

ペーパーレスの流れを大きく加速させたのは、コロナ禍によるリモートワークの浸透でした。 そもそも、紙を使用するあらゆる業務フローは出社を前提としています。郵便物を受け取る、資料をまとめる、上長に確認を求める、承認印を押すといった物理的な業務は、出社しないことには進みません。リモートワークの浸透によりWeb会議も一般的になり、いつでもどこでも書類を確認でき、同じ資料を共有できる環境がなければ仕事がやりづらくなりました。 「紙を使った業務に慣れているから」と重い腰を上げてこなかった企業も、コロナ禍に見舞われたこの2年で、ペーパーレス化に踏み出しています

「電子帳簿保存法」法改正の流れもペーパーレス化の後押しに

税制関連の法改正もペーパーレス化促進につながっています。

大きなものは「電子帳簿保存法」です。電子帳簿保存法では、例えば、「紙の保存」が義務付けられていた国税関係帳簿書類の「電子データ」による保存を認めることを定めています。制定されたのは1998年ですが、時代に合わせて改正を重ねてきました。

令和2年度の改正では、キャッシュレス決済において紙の領収書ではなく電子の取引明細でも保存が可能になりました。さらに令和3年度の改正では、メールや電子FAXなど、電子でやりとりした取引情報の電子保存が義務化される法改正があり、ペーパーレス化の企業ニーズはますます高まる流れになっています。

カーボンニュートラルへの世界の動きもペーパーレスを加速させている

世界的な環境問題の解決にあたり、CO2削減は国を挙げて取り組むべき課題となっています。ペーパーレスによって紙の使用が大幅に減ることで、CO2排出量の削減へとつながります。SDGsの目標の1つに「気候変動に具体的な対策を」というものがありますが、ペーパーレスはSDGsの目標達成にも寄与するとして評価されています。

ペーパーレスの導入・定着には、ルール制定とセキュリティー対策が必要

大企業・中小企業問わずペーパーレスの検討・推進は進んでいるものの、ペーパーレスは導入してそれで終わりではありません。まずは社内の特定業務でペーパーレスを定着させ、最終的に全社のペーパーレス化まで持っていくことが重要です。
ペーパーレスの導入・定着のために、どのような準備を行えばよいのでしょうか。

まずは社内文書から取り組み、ルール・業務フローも整備する

契約書や請求書などの社外向け文書をペーパーレスにすれば、ペーパーレスの導入効果も見えやすく、ペーパーレスを進めるメリットを感じやすいものです。
しかし導入にあたっては、まずは社内文書からペーパーレス化を進めた方が取り組みやすいと言えます。

また、その際には単に「ペーパーレス化を進めましょう」と社内で呼びかけるよりも、具体的なルールや業務フローを整備することがポイントです。

たとえば、日立ソリューションズでも社内のペーパーレス化を進めていますが、まずは社員一人ひとりが紙の印刷を極力減らす、カラー印刷はしないなど、具体的に「紙を出力しない」ことをルールとして定めています。

社内の業務規定やマニュアルを電子化に対応させることも重要

ペーパーレス化をこれから始める企業では、社内の業務規程や細かいマニュアルのほとんどが紙の書類を前提としており、電子化した後の業務に対応していません。
このような規程やマニュアルを使い続けてペーパーレス化を進めていくと、うまく業務が回らない可能性が出てきます。そのため、ペーパーレス化がある程度進んだ段階で整備することが大切です。

ただ、最初に規程やマニュアルの整備から始めようとすると、なかなかペーパーレス化が進んでいきません。まずは、部署内の資料の回覧を紙ではなくPDFにするなど、簡単にペーパーレス化できるところから始めましょう。

セキュリティーリスクに備えた準備は、リモートワークで特に重要

自宅など、会社以外の場所でインターネットをつないで仕事を行うときに重要なのが、セキュリティー環境の整備です。インターネットを経由して文書を取り扱う機会が増えると、機密情報の漏洩や外部からの攻撃にあうリスクも高まるからです。
セキュリティーリスクに対する具体的な対策としては、

  • 文書には閲覧権限のみを与え、端末には文書をダウンロードさせない
  • 自宅などで外部機器やプリンタを利用させない
  • 会社が許可した端末以外からのアクセスを禁止にする

などの工夫が必要です。

可能であれば、プライベートで使用する端末と仕事で使用する端末を区別できるよう、アクセスを制限する仕組みの導入が望ましいです。リモートワークにおいては、セキュリティーは高めつつ利便性を下げないことがポイントです。

ペーパーレスのスムーズな準備とセキュリティー対策を行っていくためには、自社だけのリソースで、手探りで運営していくのは難しいのではないでしょうか。そこで、各企業の課題に合ったペーパーレス化を支援するソリューションを利用することをおすすめします。

ペーパーレスをスムーズに行うなら、各社の課題に合ったソリューションを活用しよう

ペーパーレスをスムーズに行うなら、各社の課題に合ったソリューションを活用しよう

紙を電子化して保管し、共有する。この流れの中だけでも、紙を電子化する部分に課題があるのか、保管、共有する部分に課題があるのかで必要な対処方法は異なります。紙を電子化する部分に課題があるのであれば、その作業を外部に委託する、AI-OCRを使って業務を効率化するなどの対処が考えられます。
保管、共有する部分に課題があるのであれば、文書管理システムを導入する、法令に対応するために有識者やコンサルタントの力を借りるという対処の仕方もあると思われます。

業務という視点で考えると、業務で行いたいことは業務ごとに異なるので、ペーパーレス化する手段も、現場に合わせてさまざまなシステムを活用することになります。
しかし、そうすると個々の業務は別の業務とつながっているのにそれぞれシステムで保存したデータが分散してしまって管理が煩雑になります。
また、複数の業務のデータをまとめて閲覧するときに操作感がバラバラで業務効率が下がってしまうといった影響が出てきます。

このような場合は、例えば、データを保管するところだけを共通化してシステムを構築すれば、現場でペーパーレス化する方法は変えずに、データを検索する部分を共通化できます。

データを検索する部分を共通化すると、ペーパーレス化した後のデータは「本社では文書の閲覧・編集ができるが支社では閲覧しかできない」など、事業所やユーザーに応じてアクセス権限を変えることも可能になり、セキュリティーを強化しながらフレキシブルな運用が可能になります。

特に、拠点が複数にわたり情報が散在している企業・社内で情報が一元管理されていない企業などにおいては、その効果を十分に感じていただけるでしょう。

このように、ペーパーレスをスムーズに進めるためには、各社の課題に合った解決策を導き出せるソリューションの活用を考えていくことも有効です。

(まとめ)ペーパーレス化は一気に進めるのではなく、できることから始めることがポイント

業務効率化や環境保全への寄与など、さまざまな効果が見込めるペーパーレス。ただ、あらゆる業務のペーパーレス化を一気に進めるのは大変です。まずは、身近な請求書や領収書対応などから始め、「ペーパーレスは便利」「うちの会社でもできる」という成功体験を重ねていきましょう。

ペーパーレスの進め方は、企業によってさまざまで、やり方もいろいろあります。
自社に適した進め方で段階的に範囲を拡大し、最終的にあらゆる文書のペーパーレス化を目指していくことが大切です。

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