デジタルマーケティングソリューション
AIが加速させる
次世代ロイヤルティプログラム
【講演レポート】AIが加速させる次世代ロイヤルティプログラム

2026年4月23日、GMOメディア株式会社主催のオフラインイベント「ポイ活 ENGAGEMENT DAY by GMO」が開催されました。
登壇したのは、GMOメディア株式会社 常務取締役 メディアソリューション本部 本部長の佐藤真氏と日立ソリューションズのデジタルソリューションサービス部 部長を務める渡邉浩史です。
本記事では、単なる値引きからエンゲージメント向上へと役割を変えつつあるポイントサービスの最前線と、それを支えるAI技術の活用法について、セッションのエッセンスを要約してお届けします。
AIが加速させる次世代ロイヤルティプログラム

常務取締役
メディアソリューション本部
本部長
佐藤 真

ビジネスイノベーション事業部 デジタルソリューションサービス部
部長
渡邉 浩史
競合ではなく「補完」——大規模なポイントサービス基盤の日立ソリューションズと、Web・アプリのGMOメディア
セッションの冒頭、佐藤氏は両社の立ち位置について、次のように紹介しました。
「日立ソリューションズさんは『デジタルマーケティングソリューション PointInfinity』、我々GMOメディアは『GMOリピータス』でポイントサービスを展開しており、一見するとポイントCRMの領域で競合するように見えるかもしれません。しかし実際には、強みが明確に分かれています。日立ソリューションズさんは、流通・小売のPOSレジでの導入まで含めた大規模なポイントシステム構築に強みがあり、対して我々GMOメディアは、Webやアプリのレイヤーでユーザーの継続利用・リテンションを促す仕組みを得意としています。つまり、バックエンドとフロントエンドで非常に相性がよいのです」(佐藤氏)
渡邉もこれに同意し、20年近い実績を持つ「PointInfinity」が、コンビニや小売・鉄道など生活に密着した多くの顧客接点を支えている現状を説明しました。
ポイントエンゲージメントの現在地~貯める目的と指標の変化~
現在、私たちの日常生活においてポイントサービスは広く普及し、人々の生活に深く根づいています。企業独自の「自社ポイント」や、さまざまな店舗・サービスで横断的に使える「共通ポイント」など、消費者はあらゆる場面でポイントに触れています。このようにポイントが当たり前の存在となる中、ポイントプログラムの役割は、従来の「値引きによる購買促進」から、顧客行動の見える化や継続利用の促進、そして日常的な接点を通じた「関係性強化(エンゲージメント強化)」へと大きく拡張しています。セッション内で渡邉は、ポイントサービスの進化を3つのフェーズで解説しました(※1)。
(※1)出典:㈱エムズコミュニケイト 岡田祐子(2025).『ポイントサービス3.0 エンゲージメント時代のポイント戦略』.中央経済社
•ポイントサービス1.0(販促・値引き)
「購買」を条件とした金銭的インセンティブ(1ポイント=1円の経済的価値)を中心に、取引量を重視する時代
•ポイントサービス2.0(CRM・データ活用)
データ分析による反応率の改善や、共通ポイントによる顧客の囲い込み・ロイヤルティ向上を狙う時代
•ポイントサービス3.0(エンゲージメント)
日常の「ポジティブな行動」を評価して付与し、特別な体験などの「精神的価値」へ交換。継続率やブランド愛着といった「関係性指標」を高め、企業への愛着を醸成する時代
「これからのポイントは単なる『お得感』を提供するものではなく、企業やブランドへの愛着・信頼を醸成し、エンゲージメントを高めるマーケティングツールとして活用していくことが重要になっていきます」(渡邉)
これに対し、佐藤氏も「まさに、健康のための歩数や睡眠時間でポイントが貯まるサービスが普及している今の流れそのものですね」と応じ、ポイントが「生活を豊かにして、行動変容を促す動機づけ」に変化していることに言及しました。
「日常の行動」をポイント化し、習慣化に成功した先進事例
セッションでは、GMOリピータスを活用して自社ポイントを導入し、顧客の行動を習慣化させた先進的な事例が紹介されました。佐藤氏は、メディア運営の経験から、ユーザーに毎日アプリを開いてもらうためのキラーコンテンツを「三種の神器」と表現しています。
「我々が『三種の神器』と呼んでいるのが、天気・ニュース・占いです。これらは日常生活に深く溶け込んでおり、誰もが毎日無意識にチェックするものです。この三種の神器に関して、ユーザーのエンゲージメント向上、そして行動を促すための課題解決をお客さまと一緒に取り組んでいます。」(佐藤氏)
実際に、この三種の神器の一つであるニュースメディアにおいて、「GMOリピータス」を導入した事例では、次のような効果を得ることができました。
■ 媒体社(ニュースメディア)
自社ポイントを導入し、さまざまなタッチポイントからニュース記事へ誘導する仕組みを展開。ポイントをきっかけにユーザーがニュース記事へアクセスすることで新しい情報に触れる機会が増え、ターゲット記事のPVが約25%増加。
「ご利用者さまは自身が知らなかった記事を知ることができ、双方の関係性向上という点で我々も寄与できているのではと考えています。また、ポイントをフックに結果としてPVや収益の向上にもつながっています」(佐藤氏)
AIでポイント活用はどう変わるか~予測、自動化、最適化~
終盤、話題はさらなる次世代の仕組み「AI活用」へと移りました。渡邉は、ポイントサービス3.0時代において、「AIエージェント」がマーケターの抱える以下の3つの限界を突破すると説明しました。
1. 顧客理解の限界
膨大かつ複雑なアクションデータをリアルタイムで統合し、顧客の文脈を理解することは人間の能力を超えている。
2. 運用の限界
一人ひとりの嗜好やタイミングに合わせた報酬提示(大規模パーソナライゼーション)は、運用・コスト的に手作業では不可能である。
3.タイミングの限界
顧客が行動し熱量の高まった「その瞬間」にタイムラグなしで報酬を与えることは難しい。

図1【次世代ロイヤルティプログラムが直面する課題】
「これらの3つの限界を打ち破るのが「AIエージェント」です。AIエージェントはサイロ化したデータを統合し、膨大な1対1のコミュニケーションを自律的に実行します。例えば、購買履歴や行動データから『未来のファン度』を予測し、ランクアップの見込みが高い顧客を自動で選定。そして、その顧客だけに向けた特別なメッセージの生成や、限定イベント招待などの『金銭以外の価値』を自動で付与(オファー)することが可能になります。」(渡邉)

図2【ロイヤルティ施策例:優良顧客化】
「膨大なデータから『次にランクアップしそうな人』を予測・抽出し、その人にぴったりなメッセージやコンテンツをその瞬間に届ける。これを人手でやるのは不可能です。AIエージェントに任せることで、マーケターは複雑な運用から解放され、『どんな体験を用意するか』という、よりクリエイティブな戦略に集中できるようになります」(渡邉)
この構想に対し、佐藤氏も「ポイント事業は運用が煩雑になりがちなので、AIによって低コストで運用できるのは非常に大きい」と共感。さらに渡邉からの問いかけに応える形で、GMOメディアにおける最新のAI活用事例(パーソナライズ施策)を語りました。

図3【パーソナライズ施策例:付与閾値を最適化】
「当社でも、ゲームコンテンツにおける『ポイント付与の閾値(難易度)』の設定にAIを組み合わせています。ユーザーのプレイスコアをAIが分析し、初心者から熟練者まで、それぞれのレベルに合わせて難易度やポイント獲得の閾値を自動的に最適化する仕組みです。これにより、誰もが問題なく遊べる高い満足度を維持しながら、運営側としてはポイントの排出コストを適正化(約31%削減)することに成功しています」(佐藤氏)
このように、AIによるパーソナライズは、ユーザーに「自分にぴったりな体験」を提供するだけでなく、企業側の「コスト削減」や「運用効率化」にも寄与します。
さらに渡邉は、日立ソリューションズの協業先である台湾のIT企業、TURN CLOUD社(正式名称:TURN CLOUD TECHNOLOGY SERVICE INC.)での先進的なAI活用事例を紹介しました。「台湾ではすでに、実店舗のレジ(POS)にAIカメラを搭載し、お客さまの属性に合わせた広告を自動表示する接客支援が始まっています。また、『リファラル(紹介)マーケティング』においても、AIがインフルエンサーになりそうな会員を抽出してSNSでのシェアを促すなど、AIが自律的にファンを見つけ出してコミュニティを拡大していく世界が実現しています」(渡邉)

図4【海外の先進事例】
次世代ロイヤルティプログラムがめざす姿
セッションの最後に、以下の3つのポイントが提示されました。
1.「お得」から「体験の起点」へ
ポイントの役割を値引きからエンゲージメントへ拡張し、購買だけでなく日常の行動・体験そのものを評価する。
2.人手の限界をAIエージェントが解決
膨大なデータをAIが横断分析し、顧客の行動をリアルタイムで評価し、その人に合った体験や報酬を自律的に提供する。
3.バラマキから“One to One”へ
一律のキャンペーンではなく、一人ひとりの文脈に応じた特別な体験を届け、顧客との関係性を強化するツールとして活用する。
単なる「お得な割引券」から、ユーザーの毎日を楽しく動かし、ブランドとの絆を深める「エンゲージメントの起点」へと進化したポイントサービス。日立ソリューションズの「PointInfinity」とGMOメディアが提供する「GMOリピータス」は、その強力な仕組みづくりをシステムとノウハウの両面から支援しています。
自社のアプリ稼働率や、ユーザーの継続利用(LTV)に課題を抱えている方は、ぜひ「自社サービスにおける“日常のアクション”は何か?」を見直すところから始めてみてはいかがでしょうか。
デジタルマーケティングソリューションによる支援
日立ソリューションズが2006年より提供しているデジタルマーケティングソリューション「PointInfinity」はすでに50社超の企業に導入され、管理会員数は(※1)約4億人に達します。2026年3月2日にはAIエージェントによってマーケティング業務の自動化を加速する「PointInfinity AIエージェント連携ソリューション」をリリースしました。共通ポイント利用のゲートウェイサービスや、海外出店時の支援ソリューションも用意しており、「関係性を育てる」デジタルマーケティング戦略をトータルに支援します。
(※1)2026年7月時点、当社調べ
>> AIエージェントがLTV最大化とマーケティング業務自動化を支援するソリューションを提供開始

図5【デジタルマーケティングソリューション PointInfinity】

図6【PointInfinity AIエージェント連携ソリューション】
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