デジタルマーケティングソリューション
顧客ロイヤルティとは?ロイヤルティの概要から施策プロセスまでご紹介!
ロイヤルティ(Loyalty)とは、顧客や従業員が特定の企業・ブランドなどに対して持つ愛着や忠誠心を指します。日本のビジネスシーンにおいては「顧客ロイヤルティ」「従業員ロイヤルティ」といった形でよく使われています。
商品やサービスの選択肢が豊富にある現在では、競合の中から自社を選んでもらうためにロイヤルティを高めることが重要です。企業の持続的な成長にとっても、顧客や従業員のロイヤルティ向上は欠かせません。
では、ロイヤルティを高めるには、具体的にどのようにすればよいのでしょうか?そもそもロイヤルティとは何か、その効果、顧客ロイヤルティを高めるための実施プロセスについて、ご紹介します。
目次
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ロイヤルティとは?
ロイヤルティとは、顧客や従業員が企業やブランドに対して抱く忠誠心や信頼を表す言葉です。英語の「Loyalty」が語源であり、忠誠や誠実といった意味を持ちます。
本来「Loyalty」は、王室や王権に対する忠義を示す言葉ですが、日本では一般的に著作権・特許権・商標権、あるいはフランチャイズ契約時の「使用料」を表す意味でも使われます。
ただし、マーケティング、人事領域においては「顧客ロイヤルティ」「従業員ロイヤルティ」といった形で、愛着や信頼を示す言葉として使われるのが一般的です。
マーケティングにおけるロイヤルティ
マーケティングにおいて活用されるロイヤルティには、主に4つの種類があります。
顧客ロイヤルティ
顧客ロイヤルティとは、顧客が特定のブランドや企業、商品に対して抱く信頼や愛着のことです。単発的な購入ではなく、継続的に商品やサービスを利用してもらえる状態を指します。
数多くの商品・サービスが存在するなかで、自社のプロダクトをリピート購入してもらうのは容易ではありません。競合他社よりも自社を選んでもらうためには、顧客ロイヤルティを高める取り組みが重要です。
従業員ロイヤルティ
従業員ロイヤルティは、従業員が所属する企業に対して持つ愛着や忠誠心、帰属意識を表します。従業員ロイヤルティが高ければ、生産性やパフォーマンスの向上、離職率の低下につながります。
さらに、従業員ロイヤルティが高い組織では、企業が困難な状況に直面した場合でも、従業員が企業を支えてくれる可能性が高まるでしょう。
ブランドロイヤルティ
ブランドロイヤルティとは、顧客が特定のブランドを継続的に購入・利用する忠誠心のことです。数あるブランドの中から、特定のブランドを繰り返し選ぶ状態を指します。
顧客ロイヤルティが企業全体への愛着や信頼を示すのに対し、ブランドロイヤルティは「企業が展開する特定のブランド」への継続的な購買行動を示すという点で異なります。
ストアロイヤルティ
ストアロイヤルティとは、顧客が特定の店舗に対して抱く信頼や愛着を意味する言葉です。特定の店舗を繰り返し利用する顧客が多い状態を「ストアロイヤルティが高い」と表現します。
ストアロイヤルティを高められれば、近隣に同様の商品やサービスを扱う店舗がある場合でも、自社が展開する店舗を優先的に利用してもらえるようになります。
エンゲージメントとの違い
エンゲージメントとは、顧客の購買や利用といったアクションから、企業やブランドとの親密度を数値化した指標を指します。ロイヤルティとの違いは以下のとおりです。
一般的にエンゲージメント(engagement)には、婚約や契約といった意味もありますが、ビジネスシーンにおいては企業と顧客の関わりの深さを示す言葉として用いられます。
コミットメントとの違い
コミットメントとは、特定の目標や組織に対する個人の責任感や献身の度合いを数値化した指標です。ロイヤルティとの違いは以下のとおりです。
コミットメントは、顧客や従業員の行動や態度に直接影響を与え、最終的に購入行動やロイヤルティの形成にもつながるための重要な要素です。
顧客ロイヤルティが注目される背景
かつてマーケティングの世界では「顧客満足度」(CS)という考え方が重要視されていました。当時の企業は、顧客がその商品に満足したかどうかをまず重視していたのです。
ところが、商品に対する満足度さえ高ければ、次もまたその商品を購入してもらえるとは限りません。たとえば、購入後のサポート体制が悪かった場合、「次も買おう」と思うでしょうか?商品満足度は当然重要ですが、それだけでは足りないのです。
そこで登場したのが、一回一回の購入行動や商品に対する満足度だけでなく、愛着、信頼、親近感を得てくれるかどうか、という部分に視点を置いた顧客ロイヤルティの考え方です。
前述のように、顧客ロイヤルティが高い顧客は、次回も同じ商品を購入してくれる確率が高い傾向があるという結果が、さまざまな調査で明らかになっています。また、購入した商品の周辺商品や関連商品についても、複数社ではなく同じ企業の商品で固めようという意識が強まります。そこで企業はマーケティングの重要な要素として、顧客ロイヤルティ向上に力を入れるようになったのです。
顧客ロイヤルティの向上によるメリット
顧客ロイヤルティを高めることで、企業はさまざまな効果を得られます。ここでは、代表的な4つのメリットを紹介します。
リピート率の向上につながる
顧客の愛着や忠誠心を高めることで、リピート率の向上が期待できます。消耗品の場合は同じ商品を、家具や家電製品の場合は同じブランドの新製品を選んでもらえる可能性が高まります。
近隣に類似商品を扱う店舗ができたり、他社で魅力的な新製品が登場したりしても、「やっぱりこのブランドが信頼できるから」と継続的に購入してもらえるケースもあります。
またサービス分野においても、更新時に解約せず継続して契約する可能性が高まり、顧客離脱の防止につながります。
購入単価アップが期待できる
顧客ロイヤルティを高めることで、顧客一人当たりの購入単価アップも期待できます。
例えば、あるブランドの商品を気に入った場合、次から同じブランドのより高価な製品を購入したり、関連商品を同時に購入したりすることが期待できます。また、購入頻度の増加につながる場合もあります。
より効果的に購入単価を高めるアップセル、関連商品を併せて購入してもらうクロスセルが期待できます。
顧客ロイヤルティが高ければ、アップセルやクロスセルが効果的に働き、一回当たりの購入額だけでなく、年間を通じた顧客単価の向上にもつながるでしょう。
口コミ効果が期待できる
特定の企業やブランドに対する愛着や忠誠心が高い顧客が多いほど、SNSや公式サイトなどによる口コミ効果も期待できます。
ロイヤルティの高い顧客が商品やブランドの良さをSNSで発信したり、購入を悩んでいる人に対して「このブランドがおすすめ」と自発的に伝えたりするケースも珍しくありません。
口コミは新規顧客の購買意欲を高め、さらに既存顧客のロイヤルティ向上にもつながるといった影響の広がりが期待できます。いわゆる優良顧客(ロイヤルカスタマー)が増えることで、新規顧客の獲得コストを抑えつつ、ブランド力を高められるのです。
広告費の抑制ができる
顧客ロイヤルティが高ければ、顧客がSNSや友人とのコミュニケーションなどの機会で自発的に商品、サービスについて共有する可能性があるため、口コミによる拡散が期待できます。
マーケティング分野では「新規顧客の獲得には既存顧客を維持するコストの5倍かかる」とされます。口コミによる自然な拡散があれば広告依存度が下がり、結果として広告費の削減にもつながるでしょう。
顧客ロイヤルティを高めるための実施プロセス
顧客ロイヤルティを向上させるには、実際にどのような施策を実行すればいいのでしょうか。続いては、顧客ロイヤルティを高めるための実施プロセスを紹介します。
顧客ロイヤルティの数値化による現状把握
顧客ロイヤルティを高めるために重要なのは、顧客の声を聞き、意見を把握することです。顧客ロイヤルティはユーザー心理に大きく影響するため、「感覚的な評価」や「印象」に頼りやすい傾向があります。
しかし、顧客がなぜロイヤルティを感じてくれているのかを把握するには、定性的な情報だけでなく、データに基づいた定量的な分析も必要です。
アンケートなどで顧客の声を集め、商品やブランドの推奨者の割合から批判者の割合を引いて算出するNPS(ネットプロモータースコア)、再利用したい人の数やユーザーの感動を測る感動指数といった指標を用いて、顧客ロイヤルティを数値化します。
施策の実施目的に沿ったKPIを設定
顧客の声をもとに現状を把握したうえで、企業のビジネススタイルに応じて、どのような要素が収益に結びつくのか特定します。さらに、顧客に関するさまざまなデータを分析して、傾向や課題を把握し、その結果を踏まえてカスタマーエクスペリエンス(顧客体験価値)を高めるような効果的な施策、そして施策の実施目的に沿ったKPIを設定しましょう。カスタマーエクスペリエンスを高めることで、顧客が企業やブランドに対して抱く信頼や愛着を育み、結果的に顧客ロイヤルティの向上が期待できます。
施策実行しPDCAを回す
施策およびKPIを設定したら、顧客との接点を整理したうえで施策を実行します。課題があればその都度改善し、顧客ロイヤルティの向上に取り組みましょう。
さらに、施策の実行後は効果測定を行い、結果をもとにPDCAを回す仕組みを構築することが重要です。
顧客ロイヤルティ向上施策の例
顧客ロイヤルティ向上施策の例としては、サポート体制の強化、購入プロセスの改善、ポイント付与キャンペーン、会員プログラムの導入などがあります。
会員制システムやポイントプログラムの導入により、「安く買える」「特別枠で買える」といった「お得感」や「特別感」をユーザーに提供することで、商品のリピート購入やサービスの継続利用につなげた事例が数多くあります。
また、顧客一人ひとりにパーソナライズしたマーケティングアプローチである「One to Oneマーケティング」に結びつけることも重要です。顧客ロイヤルティを長期的に確保するには、現状を維持するのではなく、常に顧客の期待を上回る体験を提供し続ける必要があります。
まとめ
ロイヤルティの高さは、企業の売上や組織の持続的な成長に欠かせない要素です。顧客ロイヤルティを高めることで、継続的な購買行動を促し、購入単価の向上や口コミによる広告費の削減につながります。
顧客のリピーター化や顧客ロイヤルティの向上、ブランドイメージの強化を実現するには、質の高いカスタマーエクスペリエンス(顧客体験価値)の提供が必要です。
アンケートや調査などから顧客の声を把握したうえでデータ分析を行い、顧客ロイヤルティを高めるための施策を実施することが重要です。
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