デジタルマーケティングソリューション
AIエージェントとは?種類やマーケティングシーンにおける活用法を解説
デジタルマーケティングの分野では、AI技術の活用が急速に進んでいます。なかでも、近年注目を集めているのが「AIエージェント」です。
AIエージェントは目標を起点に判断し、業務の遂行や改善プロセスを支援する仕組みです。
この記事では、AIエージェントの基本的な概念から種類、マーケティング領域における具体的な活用シーンまでを解説します。
目次
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お客さまを中心としたマーケティングの取り組みに、各種プロダクトやサービスを効率的に運用。企業にも、消費者にも、価値を提供できるSIベンダーならではのデジタルマーケティングソリューションです。
AIエージェントとは?
AIエージェントとは、与えられた目標に対して必要なタスクを自律的に判断し、業務の一部を支援・実行するAIの仕組みです。ここからは、生成AIとの違いや基本的な仕組みについて解説します。
生成AIとの違い
AIエージェントと生成AIは混同されやすいですが、両者には明確な違いがあります。
生成AIは1回の指示に対して出力を返し、そこで処理が完結します。その出力をどう使うか、次に何をするかを判断するのは人間です。
一方AIエージェントは、出力を次の判断や処理につなげる中間結果として扱い、目標達成まで自律的にプロセスを進めるのが特徴です。
例えば、メールマーケティングの場合、生成AIは文面作成を担います。一方、AIエージェントは「開封率を改善する」という目的のもとで、過去の配信データの分析、文面パターンの作成、テスト結果の整理などを行い、人間の次の意思決定を支援します。
>>生成AI(ジェネレーティブAI)とは?種類や活用のメリット、活用事例をご紹介
AIエージェントはどこまで業務を遂行できるのか
AIエージェントは業務のすべてを代替する存在ではなく、人間の業務を補佐するパートナーです。
得意とするのは、明確に定義された業務や繰り返し型の業務、ツール連携を前提とした業務です。例えば、データ収集やレポート作成、配信設定や施策運用の補助といった作業が該当します。
一方、価値判断を伴う意思決定、感情や関係性を重視する交渉、法的・倫理的リスクの最終判断、前例のない経営判断、物理的な作業などは人間が担う必要があります。
このように、AIエージェントは「人の代わりにすべてを行う」のではなく、「業務の一部を自律的に担う」存在です。
そのため、最終的な判断や責任は人間が持つことを前提に活用しましょう。
AIエージェントの主な種類
AIエージェントは、役割によって主に5つのタイプに分類されます。ただし、実際に提供されているサービスや製品は、これらのタイプを複数組み合わせた複合型であることがほとんどです。
ここでは、AIエージェントの基本的な動作パターンを理解するために、それぞれの特徴を解説します。
反応型
反応型は、AIエージェントの中でもシンプルな振る舞いを持つタイプです。現在の入力内容をもとにAIが意図を解釈し、適切な応答を返します。
あらかじめすべての応答パターンを定義しておくルールベースのチャットボットとは異なり、自然言語処理によって入力内容の意図を理解したうえで対応を行う点が特徴です。
ただし、過去のやり取りや文脈を踏まえた継続的な判断は行わず、1回の入力に対して応答を返すという動作が基本です。
そのため、よくある質問への自動応答や定型的な問い合わせへの一次対応など、比較的シンプルな業務に適しています。
例えば、AIを活用した社内ヘルプデスクの問い合わせ対応や、ECサイトでの注文状況の確認対応などが該当します。
目標型
目標型は、AIエージェントの中でもあらかじめ設定されたゴールを前提に、行動を選択・調整するタイプです。単に入力に反応するのではなく、「目的に近づくために次に何をすべきか」を判断しながら行動します。
人に例えると、ゴールを共有されたうえで段取りを考え、実行順を組み立てる担当者に近い存在です。
スケジュール調整において参加者全員が出席可能な日時を見つけ出すなど、明確なゴールがある業務に向いています。
効用型
効用型は、複数の選択肢を比較し、「どの行動が最も価値を高めるか」を基準に判断するAIエージェントです。複数の条件を比較検討して最善策を提案するアナリストに近い役割です。
金融市場でのトレーディングや、コストと品質のバランスなど複数の条件を適正化する必要がある業務で力を発揮します。
学習型
学習型は、過去の対応や結果をもとに判断基準を更新していくAIエージェントです。経験を積んで成長するベテラン社員のように、対応を重ねるほど精度が高まります。
対応結果の蓄積が重要なカスタマーサポートなど、継続的な改善が求められる業務に向いています。
階層型
階層型は、複数のAIエージェントが役割分担しながら連携して動作するタイプです。チームを束ねて大きなプロジェクトを推進するマネージャーのような役割を担います。
工程管理や業務全体の進行管理など、単一のエージェントでは扱いきれない複雑な業務に適しています。
なぜ今、AIエージェントがマーケティング領域で注目されているのか?
AIエージェントがマーケティング領域で注目される3つの理由を解説します。
業務効率化
従来のMAやRPAも業務効率化に貢献してきましたが、これらは事前に設定されたルールやシナリオに沿って動作するため、ルールの設計や変更のたびに人手が必要でした。
AIエージェントは、あらかじめ設定された目標や方針を前提に、業務を進めるためのタスクを整理し、実行を担う点が特徴です。
例えば「キャンペーンの効果を分析してレポートを作成する」という目的に対し、必要なデータ収集や集計、分析といった作業を進め、その結果をもとに人が判断できる状態まで整えます。
また、実行結果やフィードバックをもとに、どの工程に改善の余地があるかを人が判断し、次の対応に反映することも可能です。
このように、業務の進行や改善を一定範囲で任せられる点が、従来のルールベースの自動化ツールとの大きな違いです。
カスタマーエクスペリエンスの向上
AIエージェントは、顧客一人ひとりの行動や過去のやり取りを前提にしながら、次にどのような関わり方を取るべきかを判断し続ける役割を担います。
単にコンテンツやオファーを出し分けるのではなく、顧客の反応や状況を踏まえて「今アプローチすべきか」「間隔を空けるべきか」「人が介入すべきか」といった判断を行います。
例えば、反応が鈍い顧客に対してはアプローチ頻度を調整したり、一定の条件を満たしたタイミングで人によるフォローを促したりと、顧客ごとに対応方針を変えながら施策を進めることが可能です。
その結果、個々の顧客に対して一貫性のある体験を提供しやすくなり、顧客満足度やブランドへの信頼構築を支援します。
戦略立案・意思決定に注力できる環境の実現
AIエージェントの導入により、マーケターとAIの関係は「指示する側/作業する側」から、「方針を示す側/業務を遂行する側」へと変化します。
AIエージェントで代行できる業務の例は以下のとおりです。
●複数のデータソースを横断した情報収集と集計
●定期レポートの作成と、結果を踏まえた改善ポイントの整理
●顧客セグメントの振り分けや更新といった運用業務
●配信スケジュールの管理や、開封率・クリック率などの反応データにもとづく配信タイミングや頻度の調整
このように、日常的な運用や進行管理をAIエージェントが担うことで、マーケターはブランド戦略の設計や施策全体の見直しなど、人間にしかできない判断や意思決定に集中しやすくなります。
AIエージェントの活用シーン例
マーケティング領域におけるAIエージェントの具体的な活用シーンを紹介します。
顧客対応の高度化
従来のチャットボットは、あらかじめ用意されたFAQやルールにもとづき、入力に対して定型的な応答を返す「反応型」の仕組みが中心でした。
AIエージェントを活用した顧客対応では、単に回答を返すだけでなく、「この問い合わせにどのように対応すべきか」という判断を含めて、対応プロセスそのものを担います。
問い合わせ内容の意図や文脈を把握したうえで、過去の購入履歴や対応履歴を参照しながら、自己対応で完結させるか、人に引き継ぐべきかといった対応方針を判断します。
具体的には、以下のような活用が考えられます。
●問い合わせ内容の意図を理解し、文脈に応じた回答を自動生成する
●過去の購入履歴や問い合わせ履歴にもとづいて個別対応を行う
●問い合わせの緊急度や複雑さを判定し、自動対応が難しい案件は人間にエスカレーションする
●対応結果を記録・蓄積し、次回以降の判断材料として活用する
単純な質問への一次対応を自動化するだけでなく、AIエージェント自身が対応品質を学習・改善していく点が、従来の自動応答システムとの大きな違いです。
パーソナライズ化されたサービスの提供
AIエージェントによるパーソナライズ施策の特徴は、「何を提案するか」だけでなく、「いつ・どのように関与するか」という判断までを含めて担う点にあります。
顧客の閲覧履歴や購買履歴、直近の行動データなどをもとに、現在の状況を把握し、次に取るべきアクションを提示します。単発のレコメンドではなく、顧客との関係性を前提にした一連の対応を行うことが特徴です。
具体的には、以下のような活用が考えられます。
●閲覧・購買履歴から次の購買行動を予測し、適切なタイミングでアプローチする
●顧客ごとの状況に応じて、提示する商品やコンテンツ、メッセージの内容を切り替える
●行動の変化から離脱リスクを検知し、個別フォロー施策を実行する
●施策の効果を自ら評価し、アプローチ方法を継続的に改善する
このように、AIエージェントは施策単体を自動化するのではなく、顧客ごとの対応方針を判断し、実行と見直しを繰り返します。そのため、人手では難しかったリアルタイムでの調整や、継続的なパーソナライズを現実的な運用として成立させることが可能です。
MA(マーケティングオートメーション)との連携
MAは事前に設定されたシナリオを正確に実行することに優れていますが、シナリオの設計や改善は人間が行う必要がありました。そこで、AIエージェントと連携させることで、MAの運用を自律的に高度化できます。
例えば、MAに蓄積された顧客データをAIエージェントが分析し、シナリオの改善案を生成してMAに実行指示を出すといった連携が可能です。
例えば、以下のような運用が可能になります。
●顧客の反応データをもとに、既存シナリオの分岐や配信条件の見直しを判断する
●開封率やクリック率を分析し、より効果的な配信タイミングや頻度を調整する
●成果の出ているシナリオの特徴を分析し、別のターゲットセグメントや配信チャネルに横展開する
●新たな顧客セグメントを発見し、それに応じたシナリオや配信内容を提案する
これらの運用により、パーソナライズされたシナリオや配信設計が人手に頼らず継続的に改善され、マーケティング活動全体の成果向上につながります。
AIエージェント実用化に向けた課題と注意点
AIエージェントの活用には大きなメリットがある一方で、その特性を踏まえた課題や注意点もあります。
AIエージェントは、目標に向けて自律的に判断・行動し、複数のステップを人間の関与を減らしながら業務を遂行することができる仕組みです。一方、誤った判断があった場合に影響が広がるリスクも伴います。
こうした特性を踏まえ、以下の課題への対策が重要です。
これらの課題を踏まえ、AIエージェントはあくまで業務の一部を支援するパートナーとして位置づけ、重要な判断や最終確認は人間が担う運用体制を整えることが重要です。
AIエージェントの能力を生かしながら、重要な意思決定や品質担保は人間が最終的に確認するなど、適切なガバナンス体制のもとで運用することが成功の鍵となるでしょう。
まとめ
AIエージェントは、目標を設定するだけで必要なタスクを自ら分解し、実行・評価・改善までを自律的に進められる点がメリットです。
このAIエージェントを、高度なアナリストとしてより機能させるためには、その判断材料となる顧客データの整備と分析基盤の構築が重要です。AIエージェントは入力されたデータをもとに自律的な判断を下すため、データが断片的であったり不正確であったりすると、誤った推論や不適切なアクションを起こすリスクがあるからです。
散在するデータがリアルタイムに統合・整理された基盤があってこそ、AIエージェントは個々の顧客に寄り添ったアプローチの実現をサポートできます。
日立ソリューションズでは、顧客データを活用したマーケティング業務への予測AI/生成AIの組み込みと、施策実行の自動化・自律化を支援する「PointInfinity AIエージェント連携ソリューション」を提供しています。
AIエージェントによるターゲット予測から、MAツールへの施策展開までを一貫して支援できる点が特徴です。外部AIプラットフォームである「Dataiku」とも連携することが可能です。
AIエージェント時代に向けたマーケティングの高度化をご検討の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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